「人形遊び」
アリスと別れた後、俺は顔を引き締めて自警団の本部に向かった。先に話は聞いていたのだが、ここ最近、奇妙な事件が起きているのだ。今日はその事件についてのブリーフィングである。
内容を簡潔にまとめると、無差別殺傷事件である。
今年に入ってから妖怪・人間を問わず無差別殺傷事件が起き始めた。行動に今一つ一貫性が見られず、犯人の目的・正体など、分からない事が殆どで、幻想郷に不穏な空気が漂い始めているのだ。
それでも幾つかわかり始めた事もある。一つは、行動範囲は魔法の森が中心となっていること。もう一つは、被害者は皆、何らかの毒物を盛られていた、ということ。
しかし、我々が知る限り毒物を扱う存在には心当たりがないのだ。怪しいのは永遠亭の薬師だが、彼女にはアリバイがある。まだまだ謎が多いこの事件の早期解決のため、自警団ではパトロールの強化をすることになった。魔法の森が中心らしい、ということで、まずは森の一帯の警備を強化することになった。
夜。妖怪たちの時間。
我々は魔法の森を交代制で見張ることになり、俺も戦闘装備をそろえて持ち場についた。万が一の時のためにようにライフルも持っている。森を二人ずつの班で囲み、一番近い班が被害が起きたところへ急行する手筈だ。
梟の鳴き声だけが聞こえる中、緊張感が周囲を支配する。
ふと俺は、昼間に出会った金髪の人形遣いのことを思い出した。そういえば彼女も魔法の森の住人なのだ。
○○「まさか…」
△△「どうした?」
○○「俺、知り合いの魔法使いがこの森に住んでいるんです。この森に住んでるってことは…」
△△「心配なのか?」
○○「彼女も力はあるんで、大丈夫だとは…」
□□「いたぞおおおおおおおお!!!」
全員の心の中に、戦慄が走った。
団長「出動!!!」
みな一目散に声のした方角へ駆け出す。俺も走り出した。不安が頭を支配する。
○○(アリス…)
△△「待てぇぇ!!」
□□「くそぉ暗くて見えない」
団長「照明弾を使え!」
発見した団員が無反動砲に照明弾を装填し、目標のいる方角に向けて放った。
発射音の後、白い光が闇を照らしだす。
目標は15メートルほど離れたところにいた。
△△「あれは…?」
そこに立っていたのは、黒い上着に赤いスカート。そして細い羽根。
□□「妖精か?」
○○「…人形…!!」
俺たちの前にいたのは、妖精のような姿をした、しかし球体関節を持つ「人形」だった。
今回はここまで。ネタは気にするな
次を何時投稿できるかはちょっとわかりません。このスレで終わらせるつもりではあります。
最終更新:2012年11月20日 11:55