とりあえず、姉妹の微病みをめざしてみたが・・・


コップの中の嵐


「あらゆるものを創る程度の能力」

あまたの錬金術師や権力者が欲しがった能力。
それを彼、○○は持っていた。
しかし、所詮は人の身。
「あくまで創ることができる」能力であること。
つまりは対象を創るための方法や材料はわかるがその材料は作れない。
故に、持っていても意味のない能力と言えた。
別名「ジョバンニする程度の能力」。

人里にいれば金を錬成されることを強要され

紅魔館にいれば食料用の人間を作ることを強要される

河童の沢で暮らしていたときはそれなりに幸せだったが、能力を知られ強欲な天狗への貢物にされそうになった
妖怪の山に近づくことすらできない○○にとっては、逃がしてくれた河童の無事を祈るしかない

そして彼は・・・


旧地獄
そこには地上に出ることが許されない妖怪たちが作ったもう一つの楽園。
そんな地下の妖怪達からも嫌われる妖怪 覚妖怪 古明池 さとりのもとに彼はいた。
様々な人間の裏切りを知った彼にとって、動物達に囲まれて過ごすこの場所は楽園だった。

地霊殿調理室
彼の「あらゆるものを創る程度の能力」は「あらゆる料理を作る程度の能力」へと変わっていた。
驚いたことに、地霊殿の主であるさとりは今まで自分の食事は自分で作っていたというのだ。

「○○さん・・・・何で一人分多いの?」
「あれ何でだろ?」

○○が皿を片付けようとするが、白い手が現れそれを制した。

「今日は私の好物のビーフシチューだから食べるよ、お姉ちゃん?」
こいし・・・・・」

さとりの心の奥底で何かが軋んだ
恋に入れ込んだ挙句、全てを失った哀れな妹
覚妖怪としての在り方を失ったが故の「無意識を操る」程度の能力

覚妖怪として嫌われることがなく、こうして○○さんを「操る」こともできる

妹に対する憎悪に塗れた姉の気持ちが見えているかのように、こいしは笑みを浮かべた

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最終更新:2012年11月20日 12:44