もはや病んでいるかすらわからん。百人一首のとある句を参考に…


やすらはで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな

妖夢「どういう意味でしょうか…」
幽々子「愛する彼が来ると信じて月が沈むまで待っていました、それなのに…」
妖夢「その男は来なかったというわけですか」
幽々子「そういうことよ、私もこんな恋をまたできるかしら~」
妖夢「辞めたほうがいいと思います」
幽々子「あら、何でかしら?」
妖夢「幽々子のおっしゃるその短歌の男は会う約束を破った悪人ですよ?約束しててそれを破る男にまともな人はいません」
幽々子「もう妖夢ったら夢がないんだから。私はそれ位溺愛する男が欲しいってだけよ?」
妖夢「はあ・・・」

最初はたわいもない会話だと思っていました、彼、〇〇さんに会うまでは。
〇〇さんと会ったのはその歌を教わった後数日くらいだったと思います。彼は突然空から降ってきました、
紫様の戯れに巻き込まれた憐れな人、私はそう思いすぐ彼を人里に帰そうとしましたが幽々子様は彼を引き取ると
言い出しました。私は反対でしたが幽々子様の我が儘によりここに泊めることになりました。
今思えば強引にでも帰した方が良かった、そう思います…この苦しい思いをするまでは。

彼と段々仲良くなっていったのは一緒に住んでいれば極自然のことでした。彼はとても優しい方で
私の家事の手伝いをしてくれたり一緒に剣の稽古をしたり…そういった中で彼が友人から愛する人に
変わるのもまた極自然のことでした。でもその愛は実ることはありませんでした。

『〇〇さんが元の世界に帰る』そう幽々子様に言われたときには私はそれ程苦しくなりませんでした。
ただ寂しくなるだけだと、そうとだけ・・・
私は彼が帰るときに〇〇さんと約束を結ばせてしまいました。

『またここに来たら、一緒に剣の稽古をしましょう』

〇〇さんは思いっきり首を縦に振りそして元の世界に帰って行きました。
それからいつ頃でしょうか、苦しくなったのは。
私はただ普通に稽古をしていても、料理をしていても、〇〇さんとの約束を思い出してしまって…
気がつけばたまに一日中外を夜も寝ずにぼーっとするようになっていました。
会いたい、話したい、一緒に笑いたい、、、…
そして私は呟いていました。

やすらはで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな

私はいつまでこの歌を唄い続けるのでしょうか、いやきっといつまでも唄い続けるのでしょう。
彼が帰って来るまで、〇〇さんと約束を果たすまで。

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最終更新:2012年11月20日 12:47