東風矢祭り万歳…
書いてあったから投下…

『ねぇ、東風矢さんって巫女さんなんでしょ?ちょっと心霊スポット行かない?』

私、東風矢早苗は巫女です…
私が巫女と言う事は、クラス中に広まっています…
もしかしたら学校中かもしれません…

さっき、話しかけてきた女の子は、私のクラスメイトのひとです。
私が巫女だから行こうと、少し無理矢理連れてかれました…

時刻は夜…九時とかではなく、十二時近くでした…

町や住宅街から離れた所に廃墟となった病院がありました…
しかし、妙なのです…

全く持って、霊の力を感じないのです…
町の路地裏ですらあるのに、逆に全く無かったのです…

多分ここでは誰も死者がでない、優秀な病院だったのでしょう…

霊が居ないのであれば、入る必要もありません…

霊が居ないので帰ることを伝えると、女の子が血相を変えて、入ろうと言ってきました…

腕も引っ張ってきたので、帰れません…

仕様がないので付き合ってあげることに…
悪霊など居ないため、別に問題じゃありませんでしたから…

病院の中に入ると病室に行こうと誘ってきました…
それに従い、二階の奥の方にある病室の方へ行きます…

階段を登り、二階の病室にやってきました…

しかし、女の子は沢山ある病室の内、一番遠くにある病室に私を引っ張って行きました…

なんでも、この病室が噂ではでるのだとか…

意を決して、扉を開けます…

すると、中から霊ではなく、男が二人飛び出してきて、私を羽交い締めにしました…

すぐに目隠しをされたりしたので、恐らく手慣れているのでしょう…

私はこの後起こりうる事を予想して、身を捩らせ、止めて下さいと声を出しました…

しかし、後ろからは明らかにそれを喜んでハァ、ハァ、と息を荒げている男…
声の質から三十から四十の男性だ…

一方、もう一人の男性の方から、あのクラスメイトの女の子の声が聞こえてきた…

『さぁ!!約束通り連れてきたんだから妹を返して!!』

『妹を返して?なに言ってんだ?こんだけで返す訳ねぇだろ…
返してやるのはお前とその妹の身体を楽しんだ後だ…』

あの女の子の悲鳴が聞こえる…

それと同時に、私も身体を床に倒され、スカートに手を掛けられた…

その時、病室のドアがバンッ!!と大きな音を立て、開けられた…

入ってきた人は何か重いもので私に触っていた男性を殴った…

体重のみ掛かっている状態だったので、横に転がり、男性を落とす…
目隠しを取ると、もう一人の男性にバットを振って、女の子から離れさせている男の子が居た…

あの女の子はまだ服を破られたのみであり、無事であった…

男の子はバットを男性の頭に当て、女の子の手を引っ張り、こっちに向かってきた…

「おい!!逃げるぞ!!」

私はすかさず返事をしたが、女の子が
「待って…!!妹がぁ…」

と言っていた…

男の子は軽く舌を打ち、自分の着ていた上着を女の子に素早く着かせ、
私に押し、逃げていてくれ、妹さんは俺が…と言って、男性の方へ向かっていった…

彼の行動を無駄にしない為、私は女の子を連れ、病院を出た…

そして入り口の辺りで待っていて貰うようにして、私はまた病院に入った…

階段を上ろうとすると、上から彼がやってきた…

その背中には泣き疲れた小学生くらいの女の子を背負って…
その紅い身体で…

「だ、大丈夫ですか!?」

「あ、あぁ、平気平気…
彼女は…?」

「平気ですが…それより早く病院に…!!」

その後、彼は病院に運ばれた…

病院に運ばれた彼…

名前は○○さんと言う…私のクラスの隣のクラスの人であった

容態は今のところベットの上なら平気らしい…

医者が奇跡のようだと言っていたが良かった…

あの時の男性二人だが、警察が追っていた指名手配犯であり、その内容は強盗、拉致監禁、性的犯罪だったらしい…

あの後、警察が来て捕縛して行った…
その二人に妹を誘拐され、言われるがままの状態にされたあの女の子は、私を連れてこいと言われたそうだ…

今私は、花束を持って○○さんの病室の前にいる…
三回ノックし、病室にはいると、あの女の子と妹さん、そしてご両親が泣きながらお礼を言っていた…
この恩は一生をかけて返すと言う言葉を私は人生初めて聞いた…

家族が私が来て、病室を出ていった…
流石にお見舞いに来た人を無粋には出来ないのだろう…
あの女の子は私に頭を深く落とし、病室から出ていった…

「…あ、あの!!○○さん!!お体、大丈夫ですか?」
「んっ…なんか危なかったけどな?この通りまだ人間だよハハハハハ」

私は少し吃驚しました…
こんな状態で笑っていられるなんて…


その後、彼が入院している間、私はいつもお見舞いに行きました…

私の命の恩人として最初はお見舞いをしていました…
しかし、段々と気持ちは動いていて…

そんなある日のことです…
私はいつもの様にお見舞いに行きました…
最近、食べても良いと言われたお菓子を持って…

しかし、扉を開けたら…

あの女の子とキスをしている所を見てしまいました…
子供がやるようじゃない、恋人しかしない深く熱いキスでした…

私は扉を閉め、その場から逃げ出しました…

そして、そこからまた毎日、平気な顔をしてお見舞いに行きました…

目に入るのは○○さんの唇…
しかし、邪念を捨てて花瓶の花を取り替える…

自分にそれはやってはいけないと言い聞かせました…


しかし、ついに嫌だと思っていたことが起こりました…

今、私の目の前には○○さんと女の子が深くつながっている所です…

見たくない…そう思っても身体は二人の方から動きません…

女の子が喘ぐと○○さんがうっうっ…と苦しげになっているのが見えます…

嫌だ…逃げ出したい…
そう何度も思いました…
しかし、現実には起こらず…ついに、女の子の喘ぎが激しくなりました…

あぁ、奇跡でも起これば…
あの女の子を殺して、私が変わりに…

そして奇跡は起こり、そこから先は奇跡に終わった…


「○○さん…気持ち良いですか?」

「そんな…わけ…!!うっ…」

「ずっと見ていたんですから…嘘は効きませんよ?
ほら…気持ち良いんですよね?」

「早苗!!もうよしなさい!!」

神奈子の言うとおりだよ!!○○が死んじゃうよ!!」

あの強き二柱は手錠をしておりなにも出来ず、ただただ見ることしか出来なかった…

「えへへ~♪大丈夫ですよ!!
だってその為の能力ですから…」

彼女の奇跡は奇跡のまま終わったのである…

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最終更新:2012年11月20日 13:10