さとりさん、貴方は心が読めるのに何で僕をそんなに警戒するんですか?
「人間の気持ちは幾らでも変わるからですよ。だから常に先読みしなければ」
さとりさん、貴方は人間が苦手なのに何で僕をお屋敷に入れるんですか?
「貴方の心に邪気はないと判断しました。ですが、前にも言ったように人の心は移ろうもの。
しっかりと監視しますのでそのつもりでいてください」
さとりさん、貴方はなんで僕の気持ちを受け入れてくれたんですか?
「貴方の気持ちが……真摯であると判断したからです。こ、こんな風に心を読むのは良くない事かもしれませんが。
で、でも私は貴方の気持ちが嬉しいのです」
さとりさん、貴方は何でそこまで僕の周りから他人を遠ざけようとするんです?
「…………貴方の心に他人が存在すると、嫌なんです。まるでノイズか雑音のように。
○○さん、貴方の心は静かなままの方がいい。私1人であれば、静かなままですよ」
さとりさん、貴方はなんで僕の心が読めるのに、そこまで僕を拘束し閉じ込めるんですか?
僕は、真剣に、貴女の事を愛してるのに。
「……………………どうしてでしょうね。覚りの能力は人の心を深層まで暴ける。
暴ける筈なのに……どうしてでしょうね。貴方が私だけを愛してくれているのも解っている。
なのに、どうしても、貴方が私から離れる、遠離るのが恐ろしくて堪らない。
貴方を誰かに渡す位なら、こうして力尽くで閉じ込めてしまいたいだなんて思って、実行までしてしまった!!
……○○さん、私、覚りなのに、心を読む妖怪なのに……私、自分の、気持ちが、解らない、解らないです。
貴方を閉じ込めたくないのに、私は今日もこうして貴方を自室に閉じ込めこの上ない位に満足してる! して、しまっている!!
……私は、一体、どうしてしまったの……!!? ……助けて、助けて○○さぁん……」
「……可哀相で、お馬鹿さんなお姉ちゃん。一番肝心な自分の願いが解らないなんて。
そんな思いをする位なら、私みたいに無意識に生きた方がいいのにね……」
最終更新:2013年06月21日 13:23