??「あ、パパおかえり♪」
部屋に入った俺を出迎えたのは、意外にも明るい声だった。
そこ居たのは、幼い少女だった。癖のある金髪。透き通ったブルーの瞳。黒い上着に赤いスカートを履いており、裾に赤いリボンを巻いている。
あの妖精と同じ姿。だが、それより明らかに大きく、人間の子供ぐらいの大きさだ。
「その子」が、俺に「おかえり」と。
いや。
それ以上に、
○○「パパ…だって?」
幼女「?パパでしょ?メディずっといい子にして待ってたよ!」
○○「あ、ああ。そうなんだ…いい子にしてたんだね」
なぜだろう、妙に自然に話せてしまう。
ベッドから起き上がり、俺のほうに近づく、メディと名乗る幼子。
そのまま俺に抱きついてきた。
ドキッ。
メディ「あのねパパ。メディね、ママが、『パパは悪い妖怪を退治してるから忙しいのよ』って聞いたから、パパのお手伝いしてたの。悪い妖怪をメディがたくさんやっつけたんだよ?メディえらい?」
目の前がメディを中心に大きくゆがむ。その中心にいる人形は、俺が本物の父親であるかのように甘え、ねぎらいの言葉を求めてくる。
この子が…犯人。
メディ「パパ?」
○○「メディ、お前は、ママに言われてやったのか?」
メディ「ううん、自分でお手伝いしようと思ったの」
○○「そうか…うん、ありがとうメディ、偉いよ」
取り敢えず、褒めて頭を撫でておいた。冷静などではない。感覚がマヒして自分でも良く分からないのだ。
メディ「えへへ♪」
撫でられて無邪気に微笑むメディ。
何故だ、何故俺は「幸福」を感じている。
○○「メディ、パパちょっとママと話す事あるから、先に寝ててくれるかな?」
メディ「うん、お休みパパ!」
さっきの部屋に戻ると、俺はアリスを直視した。どこから話を切り出したものか、見当がつかない。
アリス「真実はわかった?あの子は私達の娘。私の憂鬱の薬。貴方と私が、平凡な幸せを掴めたら、っていう、おままごとの人形だったのよ…」
アリスの頬に、輝く滴が落ちる。
アリス「最後に一つだけ言わせて…」
○○「…何だ…」
アリス「私は、○○の事を、愛しています」
永遠とも思える静寂が、部屋を支配した。
アリス「話は以上です…自警団員さん」
アリスはそう言って手首を伸ばした。手錠をかけろ、と…
一つ溜め息をついて。
俺は、アリスを、
抱きしめた。
○○「逮捕するよ…アリス・マーガトロイド。罪状は、俺の心を盗んだ罪だ」
アリスは俺の胸の中で泣きだした。
―――――数週間後。
□□「今度は妖怪の山で天狗が思い人を襲ってるのか。最近こい沙汰がらみの一件が多いな」
××「俺の知り合いも襲われたらしいぜ?
△△「お前なんかラッキーだったな?リア充さんよ?」
「いや、人は誰しも、幸せを手に入れられる。その権利がある」
俺は、仲間に胸を張って言った。
××「言うな。さすがだ」
□□「全くうらやましい」
団長「おい、出動だ、全員前へ出ろ」
「「「「了解」」」」
待ってろアリス、メディ。ちゃんと帰るからな。晩飯、期待してるぜ。
団長「出動!」
俺たちは戦い続ける。いつの日か、誰しもが本当の愛を手に入れる、その日まで。
THE END
最終更新:2013年06月23日 10:42