ほんの少し前に幻想郷で外来人の青年しか患うことがない病気が流行した。


症状は「女性が抱きたくてたまらなくなる症状」で治療法ただ一つ妊娠させれば治ると言う正に奇病中の奇病だった。


それに患った外来人の青年を助けるためと言う大義名分を得た重鎮である女妖やそれに近い実力を持った人間の女性達がドサクサに紛れ既成事実を作り結婚していった。


それから、しばらく時は流れた。
この奇病に関する資料が完成した頃に再び外来人の青年が幻想郷へ迷いこんだ。
名前は〇〇と言い、外界でサバイバルゲーム中に迷いこんだらしい。
彼を見つけたのは過去に奇病を患い、人外に強制的にジョブチェンジされた元外来人の組合だった。


彼らに見つかり説明を受けた当初は「コスプレイヤーが何故、野山に居るのだ?」と〇〇は思ったが彼らの力を見せられると顔が真っ青になり、幻想郷の話をよく聞いて信じた。
そして、奇病に関する資料を見ていると気になる表記があった。



「……あの~…この病気のことは、よく分かったのですがこの表記は何ですか?」


そう〇〇が指さす、その資料には奇病に【ほとんど病嬉】とあった。


●●「…あぁ、それ。それで当たってるんだよ、ある意味。」


△△「そうそう。間違ってはない。」


「???」
〇〇が疑問に首を傾げると、よくわかるように解説を受けた。


××「簡単なことさ、病気で悶えている我々を救うために、(色々な意味で)病んでる女達が喜んで治療するから【ほとんど病嬉】」

「え…えぇ~~……。」


〇〇が再び真っ青になると…。


●●「とりあえず、俺は一旦家に戻って嫁さんにお前を帰還させるように説得して来るから、この札を持って此処を動くなよ〇〇?それを持っていれば簡単に妖怪や人外には感知されないからな。」

△△「すまん、俺は家に戻るわ。嫁は薬師だが俺が少しでも居ないと気が不安定になるからな。」


××「すまない、私もだ。種族的に昼間は眠くて陽射しがキツくてな。」

そう言うと各々飛んで行くと、〇〇だけが残された。

「ま…まぁ、大人しく待っていれば何も起きないよな?」
そう言って渡された札をしっかりと持って、モデルガンを触っていると。


「なぁお前。そんな所で、そんな玩具をイジっている何て、外来人か?」
そう頭の上から声がして、見上げると白黒の魔女みたいな格好をした女の子が、箒で飛んでいた。


「あ…あぁ。確かに此処の人間じゃないが?(あ…あれ?簡単に感知されないんじゃ?)」

〇〇が驚いていると、その女の子は「よかったら、見せてくれよ。」や「面白いもんが見れるから郷を案内するぜ?」と言ってきたが「人を待っている。」と答えると。


「誰を待っているのだ?」と後ろから声がした。
振り返ると、長い銀髪と特徴的な四角い帽子に青を基調とした服装の女性が居た。
と、同時に〇〇は誰を待っていたのかを忘れてしまった。
困惑した顔していると女性は「此処では落ち着いて話も出来ないからな?里でゆっくりと話そう。大丈夫だ、私は里でも顔役だからな?」そう言うと女性は〇〇の右手を掴み、引っ張った。

「その後、私が案内するからな?あぁ、その持っている紙屑は要らないだろ?」と魔女の格好した女の子に左手に持っていた資料を取られ開いた左手を掴み同じく引っ張った。


〇〇は二人に連れられ、後には焼け残った資料だけが残った。

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最終更新:2013年06月23日 10:51