正面から突っ込んだことにより、顔中にガラスが突き刺さる。
痛くない、どうせすぐに治るんだもの、気にしない。それよりも〇〇は?
・・・駄目、やっぱり怪我しちゃってる。・・・大丈夫よ〇〇。あなたもすぐに治るわ。
そして、そのまま駆け抜けようと前を向いた・・・しかし前には、
「妹紅さん、ごめんなさい!」
鈴仙・優曇華院・イナバが居た。彼女と目があったことにより、平衡感覚を狂わされた。
「くっ!この・・・邪魔するなぁ!」
〇〇を抱えていることで、炎が出せない・・・くそ、このままじゃ。
「〇〇さんを帰してもらうわよ」
真後ろから声をかけられた。しまった・・・もう追いつかれて・・・
振り返ることも出来ずに後ろから勢いよくタックルをくらう。その拍子に〇〇が放りだされ、うどんげが慌ててキャッチする。
「がっ!?〇〇!」
そのまま抑えこまれる。背中に膝を置かれ、両肘を伸ばしたまま固定されたので身動きがとれない。
「離せ離せ離せぇ!〇〇がぁ!〇〇を返せぇ!」
私は全身から炎を出し、永琳の拘束を解こうとする。
「ああああぁあぁあああぁ!!!!!フジヤマヴォルケイノォォォ!!!!」
スペル名を言い放った直後にうどんげが距離をとる。
私を中心に辺りが豪炎に包まれる。
「っつ!落ち着きなさい!まずは私の話を・・・」
「ああぁあああああぁあぁ!!!!!!〇〇がぁ!〇〇!〇〇!〇〇ぅ!」
落ち着けだと?〇〇があんな汚れた生物の手中にいるんだぞ!?ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな!
私はさらに炎圧を上げ・・・ようとした。が、
・・・私の頭と胴体が何かにより、二つに分けられた。一時的に脳を失ったことにより炎が消えた。
「てゐ!薬を!」
「はい!永琳様!」
ビュッ、と注射器が投げ渡される。そして、そのタイミングで私の頭部が再生する。
「これで大人しくなさい!」
背中から心臓寄りに打ち込まれる。即効性なのか、すぐに首から下の感覚を失った。
なんで?なんでなんでなんでなんでなんでなんで!?私は〇〇と幸せになりたいだけなのに!
「なんで邪魔するんだ!私は〇〇と、〇〇と一緒にいたいだけなのに!」
「だから話を聞きなさい!・・・〇〇さん、見せてあげて・・・」
永琳はそう言った。・・・見せる?いったい何を?
「はい・・・っ痛つ」
そこには、炭化しているはずの二本脚で立って近づいて来る〇〇が居た・・・。
どういうこと?〇〇の足が治るのには三か月かかるんじゃないの?
「妹紅、君に話さなくちゃいけないことがあるんだ・・・」
最終更新:2013年07月02日 08:21