魔理沙/16スレ/366
コンコンコン、と扉を叩く音が響く。
「・・・・・・・・・」
ガチャ、扉が開いた。
「おー、〇〇やっと来たか」
「・・・『やっと来たか』じゃねぇよ!この白黒魔法使い!!!」
「おおっと、怒るのは健康に悪いんだぜ?」
「怒らせてんのは誰だよ!!!」
俺こと〇〇は現在運送業にて働いている。少し前に幻想入りをして、帰るのには金が必要。と無情なまでの現実を突き付けられた。
だから毎日あくせくと働いている。より多くの仕事か、質(金)の高い仕事がしたいのに・・・
「なんで魔法の森なんて危ないところまで来てこんな低賃金なんだよ!」
「それは怒る相手が違うんじゃないのか?そういうのは差出人に文句を言うべきだぜ」
「だ・か・ら!その差出人に文句言ってんだろうが!なんで差出人が
魔理沙で届け先が
魔理沙なんだよ!意味わかんねーよ!」
そう、俺がブチぎれてるのは単に駄賃が安い、とか道のりが長い、なんてことだけじゃない。
こいつ、自分自身に配達頼みやがった!まぁ・・・もし買い過ぎて自分じゃ運びきれない。ってわけならまだわかる。でも・・・
「しかも、小箱一つってなんだよ!普通に持ち帰れよ!」
「いやぁ、乙女には小箱一つでも重いんだぜ」
「誰が乙女なんだよ!あたり構わずマスパぶっ放つ奴を乙女とは言わねーよ!」
「む、そこまで言うのは酷いんだぜ。れっきとした恋する乙女だぜ」
「はいはいそーですか、そーですか」
「うむむ、それなら〇〇じゃなくて他の奴に任せればよかったんだぜ」
「地元の人は、みんな近寄りたくないって言うんだよ。だから俺が自動的に・・・」
「おお可哀そうに。そんな可哀そうな〇〇にお茶をごちそうしてやるぜ」
「元凶がなにを・・・」
と言いつつも家にお邪魔する。しかし、
魔理沙が目の前で動かない。
「・・・
魔理沙?」
「えへへ、実はな〇〇。その箱は〇〇へのプレゼントなんだぜ」
「プ、プレゼント?なにを藪から棒に・・・」
「い、いいから開けてみるんだぜ!きっと気に入るんだぜ」
「へいへい。よっと・・・・・・・・・・・・・・・」
ガクン、と膝が折れて倒れそうになる〇〇を
魔理沙が受け止める。その拍子に小箱が手からこぼれ落ちた。
「へへ、高密度の睡眠胞子をばら撒くキノコを気密性の高い小箱に入れてたんだ。開けた人間一人を眠らせるなんて簡単なんだぜ」
〇〇に愛おしそうに頬ずりしながら、
「〇〇、駄賃が安かったのはな、あの店から〇〇を買い取って文無し状態だったからなんだぜ。それに配達に誰も来たがらなかったのは、『届け先に商品が直接行ってくれた方が楽』だからだぜ?〇〇」
「これから・・・ずっと一緒・・・〇〇・・・」
感想
- 霊夢「あのこれ監禁エンドある?それとも私が見てないだけ?」 -- 博麗霊夢 (2023-11-14 08:22:24)
最終更新:2023年11月14日 08:22