霊夢/17スレ/555




スレタイSSその4。テーマは第14夜。


ここは楽園。

朝起きると○○が隣に居なかった。
慌てて探しにかかるが何の事はなく、井戸で顔を洗っていただけだった。
その姿を見て安心感が胸に広がる。
そもそも○○はここから出れないから居なくなることはないのだ。
慌てて損した。朝食でも作ろう。

○○をここに閉じ込めてからどれくらい経っただろうか。
彼と共に暮らし始めて以来時間の感覚が曖昧になっている気がする。
そもそも閉じ込めるといっても監禁しているわけではない。
境内は自由に歩けるし、時折やってくる知人にも会わせる。
不可能なのは結界を張った先――神社の外に出ることだ。
○○の存在に対して強く反応するから誰かに連れて行かれる心配もない。

私は○○と一緒に居たかった。ずっと傍にいて欲しかった。
そして彼も私のことを好きだと言ってくれた。
それが嬉しくて、また同時に不安も感じていた。
私は何者にも縛られない存在だから、いつか○○と離れてしまうのではないか、と。
だから○○を神社に閉じ込めて、無理矢理にでも離れられないようにした。
○○はそれを笑いながら許してくれた。
心が痛まないと言えば嘘になる。
だけど、それ以上の幸福がこの生活にはあった。

「いただきます」
二人揃って手を合わせて静かな食事を始める。
「美味しいよ」と○○が褒めてくれる。
頬が緩むのを抑えられない。顔が熱い。

きっとここは楽園。
私と○○だけの楽園。







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最終更新:2019年02月09日 18:58