「うん……」

僕と彼女は今、別れ話をしている。
原因は僕に他の好きな人が出来たこと。
彼女は終始俯いて話を聞いていた。

「でも……る……け…なら……」

何かを呟いていたが顔を上げ、僕の顔を覗き込んできた。

「私は○○と一緒に居られればそれでいいの」

彼女の真っ赤な瞳。
狂気の瞳にはそれを覗き込む僕が映っていた。

「どんな形でも側ににいられるだけで幸せ」

視界がぐにゃりと歪んでいく、目眩がする。
漸く視界のぶれ治まったとき、彼女の姿はどこにも無かった。
自分以外に誰もいない空間、僕はごめん……とだけ呟いてその場を後にした。

「でも、見てるだけならいいよね?」

去り際、耳許で彼女の囁く声が確かに聞こえた。


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こんなの?
狂気の不可視密着24h嬉しいです。

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最終更新:2011年03月04日 00:56