私は騙されている。
彼の悪意を知っている。
あの子が必要だからと嘘を吐き、私から必要な魔術や儀式の媒体を、着服していると言う事を。
私は騙されている。
彼の願いを知っている。
ただ知識欲に憑かれ、欲望の赴くままに魔法の研究をしたいだけだと。私や
アリスの為と言う口実で。
私は騙されている。
彼の好意を知っている。
疲弊した彼にはアリスや私の事を……モノ以外として見る事等、出会う前よりも昔から、出来なかった事を。
当然よね?私がそう仕向けたのだから。
私の為だけにいずれあなたはアリスを裏切り
それがばれたあなたは滅多刺し。
私に助けを求めたあなたは私から盗難の指摘をされ狼狽し、その研究成果をひけらかして――
絶望するの。
あなたがやってきた事なんて、私達から見れば何の意味も無い、ガラクタ、紙屑、ゴミの山だったって。
そうしてあなたは――今まで何の感傷も抱こうとしなかった存在に、ほどい視線をなげかけるでしょうね。
私への……
強い、強い、感情を
……もっと激しくしてほしいの、あなたに
滅茶苦茶にしてほしいのよ……それが出来ないのあなただと、私は知っているのにね?
彼は何も知ってはいない。
私は騙している。
彼が血まみれになったら傷口にいっぱいキスしてあげよう。
うふふ(はぁと)
最終更新:2014年11月02日 01:33