「………」
「そんなに難しい顔をしてどうしたんだい?」
「ん?ああ、小町か。ちょっと気になることがあってな」
「気になること?」
「うん。実はな、ここ最近女に会わないんだよ」
「もしかしてあたいは喧嘩を売られてるのかい?」
「すまん、訂正だ。正しくは『お前以外の女に会わない』だな」
「…へえ、不思議な事もあるもんだね」
「全くだ。人通りの多い所を歩いても、甘味屋に立ち寄っても見るのは男ばかり。妖怪でさえ女は見ないなんて不思議を通り越して不気味に思えてくる」
「○○、あんた何かしたんじゃないのかい?」
「馬鹿言え、何か出来る程の度胸もなけりゃする相手もいねえよ」
「ふーん。ま、でもあたいとはこうして顔を見合わせてるわけだし、そんなに心配しなくてもそのうち女くらい見るさ。それよりさ、今日の仕事が終わったんだけど、これからどこかで一杯どうだい?」
「それもそうだな。というか小町、飲むのは構わんが俺以外に酒を飲む相手はいないのか?ここのところ毎日だぞ」
「まあまあ、良いじゃないか。あんたといるのが一番気楽なんだよ」
「別に良いけどな。さ、じゃあ何処か女が居そうな店でも探すか」
「…ああ、あたいも女が居ないかよく見ておいてやるよ」
最終更新:2015年04月21日 21:03