ヤンデレどもの旦那○○が聞いてみた
「俺が浮気してたらどうする?」
レティ・ホワイトロック
「……そう、こんな重い女、嫌よね。ごめんなさい」
そういって彼女はその瞳からダイヤのような涙の結晶を溢した。
最後の力を振り絞ったようにぎこちなく微笑む。
「ごめんなさい。今までありがとう……幸せだったわ、貴方。
とても、温かかった……溶けそうなほど、雪女の身に余るほど」
そういって、彼女はかつてそうしたように三つ指をつき頭を垂れる…………と、猛烈な冷気が吹き荒れた。
それらは渦巻きながらやがて一条の矢となり○○を撃った。
「……リンガリンガコールド…………ごめんなさい貴方。愛を失った雪女は、こうするしかないの。
ごめんなさい、ごめ、んな……さいっ」
今や物言わぬ雪像と化した○○を抱きしめ、[[レティ]]は泣き続ける。
「あぁ、ああっ……温かく、ない……っ」
橙
「なークロー、俺が他の猫に浮気したらどうするー?」
にゃーん
「ゴロゴロしてやったり尻尾の付け根とかこんこんしてやったら、お前怒る?」
ンナァーン……
「なんてな、冗談だよ。俺の飼い猫はお前だけだし」
にゃーん
ーー五時間後
「どうした[[ナズーリン]]! し、しっかりしろナズーリン!誰か、誰か医者をよんでくれーーっ!」
ニヤーーン
アリス・マーガトロイド
「……ふーん」
数秒間、○○の顔を見つめたあと、彼女は興味ないとばかりに作業に戻った。
え? それだけ?
と、自分の想像したリアクションとの落差に○○は顔の体温が下がるのを感じた。
もしかして、自分が思うほど愛されてなかったのか……そうかぁ、そうだったんだだぁ……
「そんなことはないわ」
と、○○に背を向けたまま
アリス。
そして、はぁー、と深く溜め息をついて億劫そうに肩越しに振り向く。
「いったい何時間貴方のことを観察してると思ってるの? 言ってごらんなさいよ。多分貴方が言う時間は三時間以上足りないわ。
いい? 目は言うに及ばず口許、声のトーン、体臭、発汗、気配……全てが偽物よ
それに、貴方が浮気なんてするわけがない」
そ、そうですか……と引きながらも嬉しくなってしまう○○。
良かった、然程愛されてもいない○○は居なかったんだ。
「まあ、それはそれとして。もう二度と言わないでね、それ」
切なそうに眉を下げるアリスを○○はぎゅっと抱きしめる。
言わない。もう浮気とかそんな話しないよ、と。
「話だけじゃないのよ? 分かってる? したら駄目なんだからね」
分かってるって。愛してるよアリス。
「そう、私もよ。……だから、『使わせないでね』」
○○の腰に着けたアリスを模したキーホルダー。
それの目が赤から普段の青へと音もなく変わったのを○○は知らない。
最終更新:2015年06月06日 21:01