パンパン
「今年こそは、なんかいいことありますよーに!」
初詣を終えた私は、向きを変え神社から家路に着こうとしたときだった。
「あら、○○じゃないの」
霊夢さんが声を掛けて着た。いつにもまして、縁起が良い気がする雰囲気だ。
「あ、霊夢さんあけましておめでとうございます。」
「おめでとう○○お参りに来てありがとうね、良かったら福袋なんてどうかしら?」
「福袋ですか・・・、私はどうもそういった博打のような類の物は嫌いでして・・・」
「あらっ、そんな事ないわよ。なんたって○○専用の福袋なのよ。」
「私専用?」
どういう事だろう、外の世界にも適当な名前を福袋に書いておいて、たまたま自分の名前と合ったら好奇心で買ってみようかなといった品と似たような感じだろうか?
「細かい事はいいでしょ。で、どうするの買うの?買わないの?」
う~ん怪しいけど、まぁ霊夢さんのだしいっちょ買ってみようかな
「じゃぁ貰お「ちょっと、待ってください○○さん!」
え?
「○○さんそんな奴の福袋を買ってはいけません!どうせ前の年に残った低級な御札でも詰めているんですよ。でも守矢の福袋は違いますよ!大きさも、込めてる思いも。だから、○○さん私の福袋を買ってください。」
突然、早苗さんがちょっと大きめの福袋を持って飛んで来た。
「おいおい、そこまで霊夢さんの事、そこまで悪くいわなくてもいい・・・」
そういや、去年夏にたまたま神社を通りかかった時に、私を引き止めて境内を掃除させて熱いお茶出してきましたね・・やられっぱなしっていうのも何ですし
「早苗さん、福袋くだ「待ちなさい○○」
「聖さんと皆さん方じゃないですかいったいどうされたので?」
「今あなた、凄いどうでもいい理由でそこの方から福袋を買おうとしませんでしたか?」
ギク!鋭いなぁこの人
「それではいけませんよ○○いつもあなたはそう、この前も食器を洗わずにー・・・ゴホン新年初めての買い物をその様な、雑然と済ませてはいけません。ですので私達の思いの詰まった徳の高い福袋を買うべきなのですよ。」
そう言うと彼女は、前の二人以上に大きい福袋を持って差し出して着た。
「あれ?聖さん髪どうされたんですか、そんなに短く切って?」
「いずれわかりますよいずれ・・・」
私としては、大きさで福袋を選ぶ用な事はしたくない。けれども状況が状況だ、誰の物を買うかでこれからの私に対する彼女たちの対応がきまってきる訳で・・・できれば全て買った方が良いかもしれない。しかし今の私には、一つしか買うことができない。
「ねぇ○○誰のを買うのよ。」
「絶対私のですよね☆○○さん!」
「○○さんをせかさないで頂戴今真剣に考えているんですから。」
「何よあんた、偉そーに!あんたたち、私の後に割り込んで来た癖に生意気よ!」
「なんですか、やろうってんですか?」
「そっちがその気なら!」
「「「○○さんちょっと待ってて(くださいね)直ぐ片付けるから!!!」」」

どうやら私に選ぶ権利は元からないようだ。


霊夢の福袋の場合

ふーっ、なんやかんやあったけど、せっかくの福袋だし開けてみようかな。でもこの福袋、このサイズの割にちょっと重たいな・・・

んーと中身は、御札と何かのメモ・・え?これだけ?

おっかしーな、まぁいいやっとなになに、

まず御札の裏に水を塗ります。
そして左手首に貼り付けます
あなた"が"、幸せに近づきます。

えっ?どゆこと?
すると、御札がグイグイとどこかに私の腕を引っ張るのだ

御札を剥がそうにも、まるで刺青のようになっていて剥がすも何もできない。

私は、御札に導かれるままに外へ外へとうとう博霊神社まで誘われてしまった。

霊夢さん、これどういう事ですか?
「○○ったら、ちょっと目を離すと危ないんだから。昨日だって、釜戸で火傷しそうになってたでしょ、それにあなたの周りにはあなたを取って喰おうとする女・・じゃない、妖怪共がうようよいるのよ?だから守ってあげる。幸せでしょ?私に守って貰えて。」
いや、そんなの悪いですよ・・・あ、後これ外してくださいよ
「それもう外れないわよ。それに私から半径20メートル以上離れられないようになってるから。」
ええ!?そんな・・・
「新年これからも、いやずっとずっと一緒にいようね○○」


早苗の福袋の場合
プルル ッピ
「もしもし、○○さん!」
「もしかして早苗さん?」
「そうです早苗です」
「福袋に携帯が入ってたから、もしかしてって思ってかけてみたんですけど・・怪我大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ!あんな奴らに負けませんよ!」
「ならよかった。本当ビックリしましたよ。後それと、袋に入ってたセーター。ちゃんとピッタリでしたよ。」
「それは良かったです。合わなかったらどうしようって思ってて。」
「でも早苗さん、どうして私のサイズわかったですか?ウェストしか言った記憶がないんですけど?」
「それは・・・・奇跡の力です!」
「えぇ~・・・」

そんな感じで私達は、携帯で話す事となりました。本当は、会って話がしたいんですけど、巫女としての仕事があってそんなのに時間が取れないから・・・でもちゃんと○○さんの見守りはやってますよ?だってあの人おっちょこちょいなんですから。だって、目の前にある物ないないってずっと探してるんですから。私がメールで伝えなかったらあの人、里中探し回っていますよきっと。
 あ、今日も早速○○がやらかしてますねぇ助けにいかないと・・・待っててくださいね○○さぁん

いってて・・・全く、足を側溝に踏み外すなんて災難だ。
あれ?、早苗さんなんでここに?

たまたま? そうですか。助かります。



聖さん達の福袋の場合

中身は・・・これ似顔絵?うっわ、似てねー・・・訳でもないなこれ、特徴捉えてるしちゃんと描けてるわ。大好きって描いてあるけどこれ、多分父さんも似顔絵描いてあげたとき一緒の気持ちだったんだろうな・・・なんか照れるな
次は、傘やね。所々ボロいけどちゃんと修理されてるし逆に味わいが出てていいな。ん?大事にしてねって書いてある。
後は、柄杓?なにこれ?
他は、僧服?なんで入ってるんだろう?それと、この襟巻き妙な色してるな紫と金・・・手触りもいいし・・・まさか!?
私はそう思うと、福袋を持って命連寺に急いで駆け込んだ。

「聖さん、まさか髪を切ったのって!?」
「そうです。あなたにこれをお渡しする為です。」
「なんでそんなことを?」
「これは私たちのあなたに対する気持ちでもあるんですよ。」
「「「そうだよ○○ちゃんと受け取って欲しいな」」」
そういうと、聖の周りには命連寺の面々がいた。
みんな自分に対して、濁った目で舐めるように見ているのがわかった。さながら柵のなかで虎ににらまれている状況だ。

「私は穴の空いてない柄杓に私を満たしてというよりも意味を込めて」
「私は傘にいつでも○○さんのそばに居られるようにって」
「私は、絵でストレートに伝えてみたよ♩」

「そんな急に言われても・・・」
「バカだなぁ君は本当、みんな前々からアプローチをかけていたんだよ?なのにそれに気がつかずにいたんだから本当&この僕人参が。後それと、おいそれと帰れると思うなよ?この寺に来た時点で君は、虎に食い殺されて死んだ事になっているんだ。だから里に戻ったらどうなるかバカな君でも分かるだろ?」
「ですから○○さん。あなたは今日からその僧服を着て命連寺に入って貰います。宜しいですね?」

なんて事だ・・・この幻想郷では外来人に人権は無いらしい。あるのは、一度目を付けられたら最後誰かの僧侶となり魂まで貪られるかしかだいのか・・・

「さぁ○○さん。お祝いに皆さんとお雑煮を食べましょう?なんたって私達の特製ですからね」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年03月29日 20:51