妻は夫を立てるという。
外界では廃れたその風習が、幻想郷においては根付いていた。
彼女を妻にしたとき、周りは彼を羨んだ。
彼女は妻として夫を立て、常に夫に従った。
彼が苦境に立たされたとき、彼女は夫を支えた。
彼女の助けが有って、彼は乗り越える事が出来た。
彼が自分を見捨てた周りの人間に当たり散らしても、
彼女は夫の側に居続けた。夫が妻をどのように扱おうとも、
彼女は夫に従っていた。
やがて夫が自暴自棄になろうとも、彼女は夫の元を離れなかった。
そして夫がそんな妻に恐怖しても、彼女は夫の元を離れなかった。
遂に夫が妻から逃げだそうとしても、彼女は夫に常に付き添っていた。
たとえ夫が自殺をしようとも、彼女は冥界より魂を連れ戻すだろう。
死が二人を分かつとも、彼女は夫を立て続けるだろう。
最終更新:2016年03月29日 21:20