自分でも、おかしいことはわかってる
これは冒涜に他ならない
常軌を逸している、邪だし、およそ『悪』だと言える人間も妖怪もこんなことはしないだろう
好きだった一人の男の墓を暴いて
あまつさえ、僵尸にしようとしている
わかってる、わかってる…
僵尸は、死者を生き返らせる術じゃない
死んでしまった生命の魂と肉体はどんなことがあっても元には戻らない
そこは還る場所じゃないから
もう二度と笑顔は見れない
男らしい低く渋い声も聞けない
手のひらの優しい温もりも感じれない
もう、ない。彼を僵尸にしてもそれは二度と帰ってこない
『幸せ』にはなれない、満たされもしないだろう
わかってる、わかってるのに
好きになるって、辛い
最終更新:2017年01月09日 22:34