小ネタ。
どなたでもご自由にご想像ください。

「ねえ」

「私って怖い?」

「怖いの?」

「どうして?」

「私があなたと違う種族だから?」

「私があなたよりも強いから?」

「私が弾幕を撃てるから?」

「ねえ」

「私はあなたの事が好きなの」

「朝起きた時の寝惚けた顔も」

「お昼ごはんの後の眠そうな顔も」

「夕方にお仕事を終えて解放され切った時のあなたの顔も」

「みーんな、みーんな知ってるよ」

「ねえ」

「外の世界は危険だよ」

「あなたはもう忘れられているかもしれないし」

「もしかしたら事故に遭って死んじゃうかもしれない」

「せっかく外の世界に戻ったのに
 今まで帰るために頑張ってきた意味がパーになっちゃうかもしれない」

「こっちの世界は安全だよ」

「私が何時も付いててあげるし」

「ご飯の用意もしてあげる」

「戦う必要も自衛のために武装する必要もないの」

「ねえ」

「それでも帰りたいの?」

「そっか…じゃあ教えてあげるね」

「あ な た は も う 幻 想 の 存 在」

「何 を や っ て も 出 ら れ な い の よ」

「おどろいた?」

「ううん、嘘じゃないよ」

「なんだったら試してみる?」

「ほら、包丁だよ」

「痛い?」

「本当に?」

「よぉーく感じてごらん?」

「ほら、全然痛くない」

「ん? どうしたの?」

「あ、ちょっと」



「…もう」

「また勝手にどこかに行っちゃうんだね」

「でも大丈夫だよ」

「妖怪になったあなたならもう見失う事は無いからね…」

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最終更新:2017年01月16日 02:56