幻想郷の天使

ええ、私はあの日天使様に出会ったのです。私があの悪魔のような黒い天狗に囚われていた時に、あの白い天使の様な女の人が来て私を助け出してくれたのです。そしてあの方は私を自分の小屋に匿って下さいました。そして夜にはなんと私を抱いて下さったのです。恐れ多くも私に情けを下さったのです。あの女性はきっと、天上におられます神様が私を哀れんで使わされた天使様に違い有りません。白い狼の様な姿をしておりましたので、恐らく獣の天使様だったのかもしれません。博学な貴方はあの方のお名前をご存じでしょうか?私は友人に引き込まれてこの幻想郷に入ってしまった訳ですが、これもきっと神様の思し召しなのでしょう…。
しばらく天使様は私を小屋に匿って下さっておられましたが、その内来られなくなってしまいました。私は大層心細くなっておりましたが、流石は天使様、私を救う人を使わして下さいました。其れこそが、姫海堂はたてです。はたては私を天使様が匿ってくれた小屋から連れ出し、自分の住処に連れて行って下さいました。私は彼女に全てを頂きました。住処、食事、そして愛情までも。はたてにお会いしたのも、きっと天使様のお導きなのでしょう。
ああ、はたて、時間なのかな。え、看護師さんに用事?分かったよ。僕はあそこに座って待っておくね。あの黒い悪魔に誘拐されてから、はたての姿が一秒でも見えないと僕は不安で、不安で、仕方ないんだよ。うん、あそこで永琳院長の隣に居るから、早めに来てね。

はい、○○さんですが、御注文通りに催眠を掛けておきましたよ。月兎兵士の後遺症を治療するための特製の催眠術ですから、効果の程は強烈ですよ。しかし良く考えましたね、永遠亭でもトラウマの解消の為に記憶を抹消する患者さんは多いんですけれど、強烈なトラウマがこびりついている時には、上手く消せない時があるんですよね。まあ、脳は癌のように外科手術で都合が悪い部分をそぎ落とすなんて出来ませんからね…。それを記憶の齟齬が発生しないように、入院中の射命丸と椛を悪魔と天使にして、上手に自分は天使から使わされた人にしたんですからね。お見それしますよ全く。
 まあ、あれだけ警告したので天狗の査察部も黙りましたし、上層部も二人を隠蔽することにしたようですから、御安泰という訳ですね。其れではお二人ともお元気で…。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2017年01月16日 21:34