「ねぇ○○、大好き、愛してるって言葉の意味、分かるかしら」
「んーとパチュリー…いつも君が僕のためにやってる行為は
その言葉に基づいたものだと思うよ?」
「そう…」
「でも僕から言わせるとちょっと重過ぎるかも、あははははっ」
「そう…」ギリギリ
「痛い! 魔法で抓らないでパチュリーさん!!」
「さ…ん?」ギチギチ
「ごめんなさい! パチュリー!」
彼女の愛はある意味異常である。
以前は普通の女の子(?)らしく精々尾行するにしても
飛翔で上からこっそり伺う程度だったのだが…。
「○○、迎えに来たわ。
この竜巻に入りなさい」ビュオオオオオオ
「パチュリー、このサイクロンの中に入ったら体がバラバラになりそうだよ」
「大丈夫よ、体が弱い私が問題ないんだもの」
「どうせ結界張った上で入ってるんでしょその中…」
「いいから入りなさい、外の世界で言うところのタクシーという奴よ」カシッグイッ
「運転手が乗る事を強制するタクシーなんて外の世界にはなかったよ…」ギュオオオオオオ
「鉄を溶かすのに熱が足りないのね、なら…」ゴオオオオオ…
「パチュリー? スペルカードは日常で使うものじゃないと思うんだけど」
「でも魔法で溶かした方が楽よ? エコで簡単だし」
「それで打つ予定だった鉄を完全に溶かしてたら世話ないよ…
あとそんな高温なのになんで僕は熱くないの」
「あらかじめ用意しておいた結界がこちらになるわ」キュピーンッ
「ああそう…」
「やい○○! ここを通りたくばあたいの氷柱をわたってけー!」ピキーンッ!
「…」パチッ ザバーンッ!
「な、なんだこの水柱は!?」
「甘かったわね氷精…○○は飛び移るだけの足場じゃなく、
上下に動く足場が所望なのよっ!」
「な、なんだってー!?」ガビーンッ
「いいよ2人とも、いつも霧の湖は迂回して歩いてるから」
今や完全に魔法使いとして全力で魔法を使ってアピール(?)に来るのだ。
最も、便利とは思っても彼女のアピールとして成功しているかは甚だ疑問なのだが…。
「パチュリー…昔の内気な頃はどこに行ったの…?」
「最初、あなたに会った時は恥ずかしかったわ。
だからあんな感じであなたに不安を持たせるような素振りをしてしまった…
でも今は違う…あなたに自信を持って近づくことができる」グッ
「せめて人里で仕事をしてるときはその自信を持ってやってこないほうが嬉しいなー…」
「だってあなたは普通の人間じゃない。
いつ怪我をしてこの世を去るのか分からないのよ?
私みたいに魔法使いになってくれれば幾らでも延命処置について教えてあげられるけど、
あなたはそれを了承する気は無いし」
「普通の人は心配でも見守る程度で済むんだってば…」
「行動としてあなたに示してしまうほど、
それだけ私はあなたが大事だと言うことよ、○○」キリッ
図書館の少女は知識だけでなく 触れて学ぶ事も大事と知った
その経験もまた 図書館の書物として仕舞われていく
彼女の記憶と共に 彼女の思い出と共に
本では知りえぬ感覚を 体験の中で知りながら
最終更新:2017年02月06日 22:20