ある日のこと。
私はあなたが欲しいから あなたも私が欲しいはず
だって恋とはそういうもの
私は賢者 間違いなどない
「ねぇ○○…今どんな気持ちかしらぁ?」
「何なんだ…一体…?」
「私はねぇ、すっごく嬉しい気持ちよぉ…?
願っていたものが、欲しかったものがこうして手に入る瞬間っていうのは、
本当に良いものよねぇ!!」
「くそっ、寄るな!!」
「どうしてそんなに釣れないことを言うのかしらねー?
私と一緒になれるまたとないチャンスなのに…」
あなたが嫌がっているのは 嫌よ嫌よも好きのうち
あなたの技術はすごいわね 私も思わず興奮しちゃう
「は、離せ! 化物!!」
「…あぁ、そういうことね。
私が妖怪だから、あなたは人間だから怖いのね?
大丈夫よ、そんなことは既に分かっているから…」
「何をする気だ…!?」
「私と同じになってもらう。
簡単なことでしょ?」
あなたの不安は取り除く だからあなたも妖怪に
これで私と都合は一緒 あなたと私に違いはない
「か、体が…あ、頭が…あがっ」
「あっはははハハはははははハハハ!!
これで私はモウ独りじゃない!!
私が心を許せる存在をよウヤく手に入れたの!!」
「あたまが…まわ…って…」
「今はユックリおやすみナサい…○○…。
目が覚めたら…そノトきは私とあなたの二人キリの結婚式よ!
あッはははハハハハ!!」
「ど…うな…って」
「愛しテルわ○○…大スき、大好キ!!」
私の狂気は間違いではない 恋は狂気で溢れるものよ
たとえ独善的であろうとも 相手を好いてればそれは愛
「っ!?」
「随分とうなされていたようですが…どうかされましたか紫様?」
私はあなたに負い目がある 深い不快な過去の罪
「ねぇ○○…今の環境で怒ったりとか…してない?」
「いいえ別に…紫様、どうしたんですか?」
彼は許してくれたけど 私は決して忘れられない
「夢を見たの…あなたを妖怪にした、あの時のこと」
「また…見てしまったんですか」
「嫌がるあなたを無理矢理組み伏せて、妖力を注ぎ込んだあの瞬間を…」
あなたを決して逃がしはしない だから幻想の存在に
「凄く嬉しそうだった…あのときの私」
「大好きな人が一生自分の側にいる…
それはとても喜ばしいことだと思います」
「でも、あなたはあの時すごく嫌がってた…それがとても辛いの」
あなたは私の側にいて 私が永遠に守るから
「ですが…今私はこうして紫の側にいて、
こうして一緒に暮らしている」
「分かってるわ…分かってるけど…それが逆に怖いの」
「…私が裏切るかもしれない、ということでしょうか?」
だからお願い側にいて 私の側で囁いて
「そう…ごめんなさいね、私はあなたの恋人なのに、
あなたを捕まえて恋人にしておいて、恋人のことが信用できないなんて」
「…でしたら、どうすれば信用してもらえますか」
「どういうことかしら…?」
愛していると言って欲しい 私の側で言って欲しい
「紫様に対して私が、この○○が、紫の事を愛しているという証拠です」
「分からないわ…どうすれば恋人の事を信用できるかなんて…」
「キスでも夜伽でも家事でも、紫が望むことなら何だってやります。
あ、でも…弾幕ごっことかは勘弁してくださいね」
私は恐ろしい妖怪なのに 1人の妖怪に怯えてる
「じゃあその…抱きしめてくれる?」
「そのくらい、お安い御用です」
私は誰かに甘えてる 私が作った妖怪に
私のせいと分かっていても 彼は私を責めはしない
「紫…確かにあの時は怖かったです。
自分が自分でなくなるような気がして、もう○○として生きていけないんじゃないかって」
「そう…そう…よね」
「でも妖怪になっても何も変わらなかった。
私はこうして○○として生きています。
できなくなったのは外の世界に帰る事くらい」
私はあなたに焦がれてる 一度ならず二度までも
「それは妖怪になっても態度の変わらない幻想郷の皆のお陰かもしれないし、
私を妖怪にしてでも愛する事を誓った紫のお陰かもしれません。
そんなに大事に想ってくれる人を裏切るなんて…私にはできません」
「○…○…」
「今はゆっくりお休み下さい、紫…
起きたらまた、スキマでもなんでも使って私を困らせてください。
もはやあなたの側にいることが私の人生であり、生きる意味なのですから」
「……」
「心から愛しています、紫」
ありがとう私の恋人よ 私を支えてくれる人よ
あなたが私の側にいて 私があなたを愛してる
これが私の幸せならば それを私は守り抜く
だから今は眠らせて あなたの中で眠らせて
最終更新:2017年02月07日 21:16