私は古明地さとり
生命体の心や思考を読む事ができます
私達
さとり妖怪は基本的に嫌われ者で、私もそうです
当たり前ですが、私は「恋」をした事がありません
それに、興味もありません
何故なら、心が読めるからです
誰が一体どんな風に恋愛について考えているかがすぐにわかってしまうからなのです
例えば「男の子は性格!」だと言っている女性がいるとしましょう
しかし私は彼女が「ただしイケメンで年収4000万以上に限る」と心の中で考えている事を知ってしまいます
これは男性も同じです
いくら紳士に振る舞っていても心の中では下郎だったりするのです
そんな私は今家族を探しています
犬のポチが家出してしまいました
ペット達も皆私の子供同然の存在です
普段はあまり家から出ませんが、思わず飛び出してしまいました
ペット達を皆集めてポチを探させていますが、なかなか見つかりません
誰か助けて…そう思った時、遠くに見覚えのある夫婦が歩いていました
八雲紫とその夫の◯◯さんです
八雲紫は妖怪の賢者、彼女の力できっとポチは見つかる
そう思って私は走りました
その時、私はある事を考えてしまいました
この二人は心の中でお互いをどう思っているのだろう?」
人間と妖怪という種族の壁を乗り越えて結ばれた二人は、心の中に一体どんな闇を抱えているのか、私はそれが気になって、そして暴きたいと思ってしまいました
私の悪い癖なのですが、もう止められません
八雲紫は私を避けているという噂もあるので、尚更気になりました
そして、二人の心を覗いてみました
◯◯『紫さん愛してる』
どうやら◯◯さんは本当に彼女を愛しているようです
奇抜な人間ですね
しかし、問題は八雲紫です
彼女の心を暴きたい…私は早速八雲紫の心を覗いてみました
どんな闇を抱えているのか…楽しみで仕方ありません
紫「ああ◯◯愛してる◯◯大好き◯◯愛してる◯◯の手暖かいああ◯◯大好き◯◯愛してるああ◯◯はどうしてそんなに愛しいの◯◯絶対離さないわ◯◯絶対に私が護ってあげるわ◯◯ずっと貴方だけを愛するわずっと私だけを愛してねああ◯◯大好き◯◯愛してる◯◯大好き◯◯愛してるウフフ◯◯は可愛いくてカッコよくて優しくて私だけを愛してくれるなんてステキな旦那様なのああ◯◯愛してる◯◯大好きああ◯◯愛してる◯◯愛してる愛してる愛してる愛してるわ◯◯もっと貴方を想いたいもっと貴方に想ってほしいああ愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる………」
気がつくと、私は自室のベッドに横たわっていました
よくわかりませんが、ポチが帰ってきてくれたのでよかったです
最終更新:2017年02月07日 21:26