「もう、いつまで寝てるの?」
「おはようございますアリス先輩…ってはい?」
「何で私がここにって…私はあなたの先輩でしょ?
先輩が可愛い後輩の面倒を見るのは当然でしょ。
あなたのお母様にも許可は取ってあるわ」
「何? 弁当忘れた?」
「あ、すみません…食堂で買ってこないと」
「大丈夫よ、こんなこともあろうかと1人分くらいは用意してあるわ…なんてウソよ。
あなたが慌てて外に出たときに弁当箱を忘れていたから、ちゃんと持ってきてあげたのよ」
「えっ、忘れてましたか!? すみません何から何まで…」
「はいはい…今度から大慌てで物を忘れたりしないようにね?」
「○○、今日の手芸部は…」
「はい、そういえば休みでしたね」
「ええ、だから放課後一緒に寄りたい所があるのだけど、いいかしら?」
「先輩のお誘いですからね、お受けいたします」
「先輩凄いですね…腹話術やら糸人形やら、凄い器用…」
「そう? これくらい、あなたでも簡単に出来ると思うわよ?」
「いやー、自分はそんな器用な真似は出来そうにないですし…」
「まあ、その内コツの一つや二つ教えてあげるわよ。
それさえ分かればこれぐらい簡単に出来るわ」
「ありがとうございます、先輩!」
「どういたしまして…
あ、野暮用が出来たからここでお別れね」
「あ、はい分かりました! それではまた明日!」
「…居るんでしょ、そこに誰か」
<!?>
「男? 女? 私に用? それともあっちの○○に用?」
<え、えーと…>
「で、何の用かしら」
<○○さんにちょっとお伝えしたいことが…>
「ふぅん。
お慕いしていたとか、付き合ってくださいとかそんなところかしら?」
<べ、別にあなたには関係ないじゃないですか…>
「関係ない? 私は彼の先輩よ」
<それはただの学校での上下関係であって…>
「あらそう、じゃあ簡単に教えてあげる。
私は彼の先輩であり、恋人よ」
<…!>
「どう? 引き下がる気になった?」
<例えあなたが恋人だろうと関係ない…私は○○さんが好きだから!!>
「あら、他人の恋人を奪い取るだなんて…泥棒猫か何かかしら。
まあ、そんな女は友人としても恋人としても○○には…不要よね」ニヤッ
「あの、先輩…なんで僕の家にいるんですか?」
「お休みまできちんと監視するように、と
あなたのお母様からは許可を取っているわ。
ほら、お休み」
「え、えーと…お休みなさい先輩」
最終更新:2017年02月12日 14:42