きっと君は恨んでる 君を捨てようとした僕のこと
きっと君は憎んでる 君から逃げ出す僕のこと
きっと君は好いている それでも君は僕の事を
「ねえ」
「何かしら?」
「…恨んでる?」
「私が? ○○のことを?」
「だって、僕は…」
「ええ、私を置いて外に逃げ出そうとした回数が54回。
私と外出している最中に霊夢や
魔理沙などの外部の協力者を使って逃げ出そうとした回数が5回。
それと…魔道書を使って強行突破しようとした回数が10回…だったかしら?」
「…よく、憶えてるね」
「当然よ? 愛する人の行動をこの目で、脳で、記録しておくのは」
私はあなたが好きだから あなたの事はなんでも知ってる
私はあなたが好きだから あなたの事はなんでも学ぶ
私はあなたが好きだから 何をやっても結果は同じ
「それに、私は嬉しいわ」
「…脱走した事が?」
「そう。
私はあなたの人形が欲しいわけじゃない。
私が欲しいのは○○自身だから。
あなたが逃げようとするって事は、それって…私の事を考えて行動してくれてるってことでしょ?
私の行動パターン、私の考え方、私の能力…ぜーんぶ、○○が考えてくれてるのよね?」
「……」
「相手の事をどこまでも考えて行動する…それってつまりは愛じゃない?
だとしたら私達…最高に幸せな恋人同士よね?
相手の事をどこまでも深く考え、行動し続けているんだから」
僕にはもう分かっている どうあがいても逃げられない
彼女の糸は巻きついている まるで絶対に逃がさぬように
けれども僕は諦めない いつかは逃げてみせるから
「それは…独り善がりな恋だよ…」
「ええ。 あなたからの愛のお返しがない以上、これは全部独り善がり。
ただただ一目にあなたを見つめて、呟いてるだけの片想い」
「悪いけどそれは諦めて欲しい…
僕を外に帰して欲しい」
「…私はあなたが好きだから、あなたを傍から離したくない
あなたが外に逃げたなら、二度とは帰ってこないでしょう?
あなたには支えが有ったとしても、私は誰も支えてくれない。
だから誰かが欲しかった、傍に誰かが欲しかった!」
「結果がこれじゃあ本末転倒だよ」
「あなたが私を愛せば良い、それで全部が片付くの。
あなたは帰れなくなるけど、幸せな人生を保証するわ」
「悪いけどまだ諦めたくない」
「…よろしい、ならば続けましょう。
私とあなたの人形劇を。
私が悪かあなたが悪か、長い物語を続けましょう?」
私は絶対諦めない あなたの愛が貰えるまで
恋はどこまで落ちたとしても 最後は2人は結ばれるから
たとえ過程がおかしくなっても 終わりが良ければ全て良いのよ
最終更新:2019年01月06日 08:36