「失礼するわ、○○。起きているかしら?」
「うふふ、眠っているみたいね…。なんて愛おしい寝顔なのかしら…大きくなっても変わっていない…。」
「…今日であなたが私を拒んでから256日が経過したわ…。もっとも、あなたの記憶には無いのだけれどね…。」
「あの日、私はあなたに告白をした。
この生涯で初めて…最初で最後の愛の告白を…。けれどあなたは言った。『母さんとは恋仲になれない』。私は絶望したわ…。」
「でも当然といえば当然よね…。あなたにとって私はただの育ての母親…。でもね○○…?私はずっとずっとあなただけを愛してきたの…。」
「私は八雲紫という妖怪としてこの世界に誕生してから…ずっとある夢を見ていたの。一人の少年が私と手を繋ぎ、共に未来へ歩んでいく…。その内容の詳細はわからなかったけれど、その少年が私にとって大きな意味を持つ事だけは理解できたわ。」
「そしてそれから1000年以上も経ったある日…私はある赤ん坊を見つけたわ。その子は捨て子だった…恐らく外の世界で捨てられ、この幻想郷に迷い込んだのね。普通なら見捨てるはずだった…でも私はその赤ん坊に運命的な何かを感じずにはいられなかった。だからその子を私の息子として育てる事にしたの…。」
「…その子に私は○○と名付けた。そう、あなたの事よ…。私の式であり娘達…藍も橙もあなたを弟のように可愛がったわ…。まあ、二人とも私の恋敵のようだけれどね…うふふっ。」
「○○は瞬く間に成長していった。結界術も妖術も扱えるまでに…。私はそんなあなたの姿を見て確信したわ。夢に見た少年はあなたなんだって。そして気がついたの…私はあなたに恋をしている事を。私は誰かにそんな感情を抱いた事なんてなかったから、とても混乱したわ…。そうよ…あなたは私の初恋の人なの…。」
「母親としてあなたを護り続けたい気持ちとあなたの妻として共に歩みたい気持ち…そのどちらもが私を埋め尽くした…。私は母親でありながら妻になると決意をした…。あなたにとっての『女性』は全て私でいてほしかった…。私の全てであなたを満たしたかったのよ…。」
「そして私はあの日、あなたに全てを打ち明けた。今までに見た夢の事…あなたへの想い…愛情…。けれどあなたは私を拒んだ。だから仕方なかったのよ…だって…あなたにそんな歴史はいらないものね…?」
「私は能力を用いてあなたの意識に介入し、記憶を書き換えた。私があなたに告白した事実も、あなたが私を拒んだ事実も全て消去したわ…。全てをやり直すつもりでね…。」
「それから私は…告白しては拒まれ、告白しては拒まれ…そして消去する。そんな事を何十回も繰り返しているのよ…。」
「あのビジョンはなんだったのか?頭がおかしくなりそうだった…精神が狂いそうだった…私が消えてしまいそうだった…。でも私は諦めないの…あなたと永遠に結ばれる…その未来を勝ち取るのだから…!」
「…長くなってしまったわね…。では要件だけ済ませましょうか。今日はあなたの意識や記憶に問題が無いか点検に来たのよ…。大丈夫、すぐに終わるわ…。ん?何かしらこれ…。」
「xxさんへ…?これ、まさか…恋文…?…うふふ…あはは…あはははは…あーっはっはっは!!そういう事だったのね!何でこんな簡単な事に気がつかなかったのかしら!恋は盲目ってヤツかしらね!」
「あなた…!この女の事が好きだったのね…!だから私を拒んだのね…!だったら話は簡単じゃない…!ソイツに関する記憶も!ソイツの存在そのものを!全て消し去ってしまえば良いの!そうすればあなたは私を見てくれる…!そうよね!そうなのよね!」
「うふふふ…こんなに嬉しいのは久しぶりよ…!あなたに誕生日プレゼントを貰った時以来かしら…!今すぐに消してやる…!私の○○を汚す淫乱な雌豚共はこの世から一匹残らず!!!」
「……うふふ…取り乱してしまったわ…いけないいけない…。起きていないわよね…?うん、眠っているわ…そういうところ…私に似ているわよね…♪大丈夫よ…目が覚めたらもう全て解決しているから…♪安心しておやすみなさい…。」
「私の可愛い坊や…私の唯一無二の旦那様…♪」
「…どうして…どうして…どうしてまた私を拒んだの…?あの女は消したじゃない…記憶だって…なのに…なんで…?」
「○○は私と一緒にいたくないって言うの…?ただの親子でいたらいつか離れてしまうのよ…?夫婦になれば絶対に消えない絆で結ばれる…!今より強く深い絆で…!」
「まだ他に好きな人がいるの…?それとも…私があなたの母親だから…?血の繋がりなんてないのに…?結婚できるのに…?それでも私はただのお母さんなの…?」
「なら…私との記憶を消してしまえばいいの…?そうすれば私達は親子じゃなくなるの…?嫌…そんなの嫌…あなたの母親は私なの…!あなたとの思い出を消すだなんて…できないわよ…」
「嫌よ…○○…私と一緒にいてよ…他の誰かのモノになんてならないでよ…お願い…お願い…」
おまけ(ハッピーエンドルート)
「やっと…結ばれたんだね…/// 今までひどい事してごめんね…/// でももう大丈夫…私が永久に護り続けてあげるから…///」
「私はあなたのお嫁さんになったけれど、いつでもママに戻ってあげる…お姉ちゃんにだってなれるわ…/// あなたにとって女性は全て私なのよ…///」
「もちろん私もよ…/// 私にとって男性はあなただけ…/// あなたしか知らない…あなたにしか満足できない…//// あなただけに満たされて…全てを捧げ続けるの…////」
「純潔もファーストキスも全て捧げてあげられた…/// 愛するあなたに…全部全部…//// あなたの初めても全て貰えた…///
お互いが最初で最後の相手になるのね…//// いつまでも私はあなただけを見続けるのよ…///」
「好きよ○○…/// もうあなたと離れる事はない…/// だってあなたはもうスキマ妖怪なのだから…私と同じ『種族』になったの…///」
「だから寿命の事なんて気にしなくてもいい…例えあなたが先に死んでしまっても…私も一緒に死ぬのだから…/// そうなってしまっても幽々子の家に泊めてもらえば良いだけだもの…何も恐れることはないわ…///」
「私達は二人で一人…どちらかが欠けてはいけないの…/// あなたがそばにいない私は私じゃない…私がそばにいないあなたはあなたじゃないの…////」
「ずーっと…ずーっと愛し続けるわ…あなただけを愛しているの…/// だからあなたもそうしてね…浮気なんてしたら…」
「また『やり直し』なんだからネ…///」
最終更新:2017年02月12日 18:46