なんやかんやあった後に○○が記憶喪失になってみた

霊夢

「あら、どうしたの紫。
 顔色が悪いようだけど」
「…え?」
 

「大丈夫…○○?」
「私がちゃんと巫女のお勤めをしていればこんなことにならなかったのに…ごめんね…」
「『多分、あなたは悪くない』…? ○○はいつでも優しいんだね…」


「どうしたの、紫? 『元凶』を見つけた?
 ふーん…こいつが○○を襲ったのね」
「ちょっと話が出来すぎてる感あるけど…まあ、これも必要な犠牲よね」


「どうしたの? 『異変の元凶』さん? 『頼まれてやっただけ』? そう、それで?」
「私からすれば誰に頼まれようが何しようが人間に危害を加えた時点であなたは退治すべき対象なのよ」
「何々…『俺は八雲紫に頼まれてやっただけ』? 『お前は騙されてる』? そう」
「じゃあ、あんたを退治した後に八雲紫も退治すれば良いわけね」
「大丈夫よ…あとであなたの依頼主も同じところに送ってあげるわ」


「片付けてきたわ、紫。 ええ、紫が言ってた通りのことしか言ってなかったわ」
「それにしても凄い考えね。 外の世界の記憶があるから逃げ出すというなら、記憶喪失にしちゃえだなんて」
「分かってるわ。 紫が義理の母で、私がその娘。 で、○○はこの幻想郷で私達家族の元で暮らしてた」
「これでもう、誰かに取られる心配はないわけね」
「ありがとう、『お義母さん』」




「彼を私のものにするのに一番楽な方法、それでいてかつ
 出来る限り彼の反抗の可能性を削るには…記憶喪失が良さそうね」


「ねえ霊夢、こういう筋書きを考えたんだけど…」
「そう、了承してくれるのね。
 分かったわ、手頃な妖怪に襲撃をさせることにしましょう」
「一番良いのは彼を傷つけないことだけど…ショックを与えた方が記憶は飛びやすいらしいし…」
「それに、私や霊夢が彼を傷つけたらお互い、殺しあっちゃうかもしれないじゃない?」


「ねえ、そこのあなた? 私は妖怪の賢者、八雲紫。 あなたに用件があるの」
「簡単な話よ。 3日後にこの道を歩いている人間を襲撃してちょうだい」
「大丈夫よ、襲撃するにあたって面倒な護衛とかはいないから」
「…もしもの時用にあなたにちょっとした術くらいは掛けてあげるわ」
「さあ、勤めを果たしなさい?」


「あら、どうも○○。 今日はちょっとお話があってここにきたの」
「なんてことはないわ。 3日後の夜に宴会があるから来て欲しいという話よ」
「あ、夜に来ると流石に危ないから昼ごろに先に霊夢の神社に来て待機しているのが1番だと思うわ。
 あの子のそばにいれば厄介ごとに巻き込まれる心配も無いでしょうし」
「そう、来てくれるのね。 ありがとう」
「あ、何かあっても良いようにまじないを掛けておくわ」


「ふむ…妖怪は問題なく待機中。 ○○も向こうから来てるわね」
「…予定変更。 2人とも、喰らいなさい」
「やっぱり誰かも知らない馬の骨には任せておけないわ。
 それにしっかりまじないは掛けてあるから私の弾幕を喰らったところでどうにもならないし」
「さて、○○の記憶の境界を弄って…そろそろ大慌てで宴会に行きましょう」


「大変よ霊夢!! ○○が!!」
「えぇ…妖怪に襲われたみたいなの、怪我はそれほどでもないけど…
 もしかすると…記憶は失ってるかもしれないわ」
「ただの人間を呼ぶなら警戒しておくべきだったわ…わたし、と、したことがぁ!」
「あら、私泣いて…だ、だいじょうぶよ。 ありがとう…萃香」


「…霊夢、こいつが今回の異変の『元凶』よ。
 今までの奴と比べると悪人面に、小物っぽい理由。実に分かりやすいわね」
「ええ。 ○○には守護のまじない、『元凶』には脱力のまじないを掛けておいたわ。
 万が一の事を考えてね」
「ああ、『元凶』さんなら既に別室に捕まえておいてあるわ。
 あとは人間の手で『解決』すれば全て終わり」


「無事に『解決』できたみたいね」
「さて、○○との関係についてだけれど…」
「えぇ、その通り。 流石ね、『霊夢ちゃん』」

記憶を無くされて何もわからぬまま幻想少女に愛されてみたいものです
…だって、怖かったという経験がなければ…何も怖くないでしょう?

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最終更新:2017年04月08日 04:46