階段を登る音が聞こえる。低く、軋むような音が俺の耳に囁いている。「ゲームオーバーだ」と。皮肉なものだ、背中についている立派な羽を使って、飛んでくれば良いものを。あの女は、わざわざ階段を踏んでいる、ここに俺がいることを知って。

はてさて、彼女が登っている階段は全部で17段ある、3回俺の耳に悪魔の囁きが聞こえた、残りは14段なんて数えているうちにまたひとつ......もはや、どうすることも出来なない、助けを求めることも、なにかしら、自分意思を書き留めることさえも。

ふと、窓から月を見てみた。まるまるとふっくらとした黄色い顔が憎たらしい顔をして俺を笑っていた。それと同時に、低いうねり声をあげて、ゆっくりと"最期の"門�槌が口を開ける。

「チェックメイトね、〇〇。言ったでしょう?私達は、離れない運命だって.....」

月に笑われながら、俺はヘタレ混んだ。この夜さえ、この夜さえ逃げ切れば俺の勝ちだったのに。目の前の吸血鬼が距離を詰めてくる。後のことを考える気力など、もう無かった。

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最終更新:2017年05月28日 07:12