>>309(清蘭/23スレ/309)
こーりんがそこら辺の需要を狙っているとしか思えない

霖之助さん」
「これは……稗田阿求。珍しいですね、今お茶を入れましょう」
「この商品、言い値で買いますので。今後は私以外に売らないようにしてくださいませんか?」
阿求が霖之助の眼前に突き付けたのは、彼の新商品である眼鏡型カメラであった。
「これが私の稼業です。貴女以外にも意中の男性に対して偏執的な女性は多い」
しかし霖之助は臆することなく、お茶を入れながら言葉を交わしていた。
「稗田の財力はご存じのはずです」
「だからですよ、過ぎたるは及ばざるが如しです。貴女には、はした金でも、個人で扱える金額ではない」
自身の調子を一切崩さない霖之助に、阿求は「やり辛い」と言った。

「他の、眼鏡型カメラを作れそうな霧雨魔理沙や河城にとりは。自分の手の内を明かしたくないから、作らないでしょうこういうのは」
「それらをすべて、有償ではありながらも救うのが私の稼業なんです」
「言い値で買い取ると言っているのです。今後は私の為だけに作ってください」
しかし霖之助には稗田阿求にも臆さないだけの理由が存在していた。
それは彼が人里には居を構えていない事以外にも存在していた。
「手紙……ああ、クソ!」
霖之助が阿求の前に無造作に置いたいくつかの手紙の差出人に阿求は毒づいた。

紅魔館のメイド、白玉楼の主と庭師の連名、守矢神社の巫女、秋神が二柱とも。
もちろん、八雲家の名前だって存在していた。
「みなさん、私の商品を喜んでくれています。今も新しい商品を、彼女たち専用の物をいくつもお作りしました」
稗田家は強大である、人里には稗田を上回る権勢は存在しない。
だが人里の外に関しては、その限りではない。
話を無下に扱わない程度の権勢まで目減りする。それでも十分凄いが、人里と同じようには振る舞えない。
「もちろん、稗田阿求専用のウェアラブル端末だって。お作りして差し上げますよ?」
彼の技術を独占しない事により、力の均衡が保たれていた。

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最終更新:2017年06月13日 19:11