古明地さとりのカウンセリング5

 こんばんは、中々良い気温ですね。この診察室も三人もの方がお越しになれば少々手狭ですね。まあ少々の間我慢して頂ければ
大丈夫ですよ。ええ、このカウンセリングは手早く済みそうですので。

 それでは如何でしょうか。成る程、彼女が余りにも其方の男性に執着してしまうと。御本人もそれは大変ですね。しかしそちら
の女性の方もお優しいですね。ええ、いくら姉妹といっても、そうまでされるのは中々ご苦労ですからね。
 それではそちらの女性のトラウマを解消しましょうか。はい、息を吸って、吐いて・・・。はい、終了しましたよ。いかがです
か?そうですか、それは良いですね。これまであんなに執着していたことが全て、一気に色々消え去って、とても清々しいですね。

 おや、お二人は分かりませんか?どうして彼女が笑っているかを?いえ、別に気が狂った訳では無いんですよ。ええ、それはこ
の私が保証しますよ。実は彼女は気づいてしまったのですよ。何って?本当は分かっていらっしゃるんでしょう?一番否定して心
の奥底で今、しっかりと鍵を掛けて隠してしまおうとしている、それ、ですよ。
 いやあ、流石に幾ら性根が腐っていると言われる私であっても、やはりこのようなものを見ると少しは心が痛みますね。ええ、
そちらの男性は必死に考えを巡らせているようですので、お教えしますが、姉妹って、どこか似ているんですね。私にも妹がいま
すが、さとりという種族としてどちらも精神を司る訳ですし、そちらの九十九神のお二人も、やはり似ているんですね。それは
男性の好みであったり、男性への執着であったり、そういった諸々が。勿論、この男性と今後辿る恋愛においても同じなのですね。
ええ、本当に残念なことですが、まあ、男性の方には都合の良いことをしようとした、として諦めて頂くのが一番平穏なのかもしれ
ませんねぇ。ええ、残念なことにそちらの元の彼女の方は、あなたへの未練を吹っ切ったようですし、そしてあなたとそちらの女性
が今後どのように付き合うかが、手に取るように分かるのですからねぇ。まあ、文々新聞を始めとして天狗のパパラッチがあなたの
周囲を囲むでしょうから、流石に血が流れるのは避けられる、と良いですね。

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最終更新:2017年06月15日 22:59