魔理沙/23スレ/629
この人形、
アリスが作ったな
魔理沙は近寄るずっと前から、視界に収めたその時にはもう。
○○の家にて鎮座しているその人形が、
アリスの手製であることに気付けた。
「あぁ、それ。俺の柄じゃないなとは思いつつも……もらった以上は無下にも出来なくて」
苦笑まじりで○○は紅茶の用意を進めている。
「慣れた手付きだな」
「
アリスが重度の紅茶党だから、自然とね。門前の小僧習わぬ経をってやつかな?」
彼女は自分の中に芽生えた、緑色の感情を認めねばならなかった。
「そう」
アリス流に紅茶の用意を進める○○をこれ以上見たくなくて、人形の方に歩みを寄せたが。
「!?」
緑色の感情を刺激するだけなのにと思いながら持ち上げた人形から、魔法使いだからこそ見える、魔術的な糸がのびていた。
弾けるような音が、魔法使いの耳には聞こえた。つまり○○の耳には聞こえない。
「……何やってるの?」
されどもおかしな動きは見えた。○○はそれを気にするが。
「いや、ちゃんとパンツも作り込んでいるなと思ってさ」
「……気にはなったけど確認しなかった事を。
魔理沙ったらぁ」
どうやら誤魔化せたようだ。軽薄な性格がこの時は役に立ったようである。
(
アリス、お前が普通の人形を贈っていただけなら。恐らく私は身を引いただろう)
(だが、なりふり構わないようであるなら。私も手段を選ばない)
一人の魔法使いが修羅に落ちた瞬間であった。
感想
最終更新:2019年02月09日 20:23