『イェ~~~~~~~~イ!空前絶後の!超絶怒涛のセクシー豪族乱舞!!』
 「いつの時代も叫ぶ一発芸がはやるなんて単純ね人間は」そう呆れた様子で毒を吐く彼女は桃紫色の髪とちっちゃなおててが愛らしい僕の伴侶だ。「うっだ、だって代わり映えがないじゃないですか、もっと練られた漫才ができる芸人をみたいです。」そんな風にサードアイのみをこちらに向けて黙々と箸を進めていく彼女を見ながら、自分は綺麗に盛られたハンバーグとみそ汁を堪能していた。長く経つのに未だに料理が美味くなっていくことに感心しながら明日のご飯を考えていると、「期待してもいいわ」の一言をきっかけに今日の夕食を終えるのだった。
『残念だったな、真実はいつもまるっとすべてお見通しだよ・・・じっちゃんの名にかけて!』
 一緒に片づけをした後、僕は彼女を抱きかかえる形でソファーに転がったあとテレビを見ながらだらだらと心地よい時間をつぶしていく、妙にデジャヴを感じるカオスな推理ドラマを見ながら明日のことを考えていると稀にふと昔のことを思い出そうとする自分がいるのだ。彼女との出会いはとても偶然で運命的でそして恐ろしくも愉快な結果がこの日常であり満足しているはずなのに、さらにそれ以前の小さい頃が思い出せないのは自然なことかもしれないけれどなんだかもやもやして・・・、そうして物思いにふけっていると目配りしているサードアイと目が合い、彼女は相変わらず僕に抱きかかえられる形で本を読み進めてる。「あなたの疑問は正しいです。でもまだそれを知る必要はありません。」いつか教えてくれるかい?「・・・・もう少し、もう少し待ってください、私はあなたを知っていますしあなたを信じています。でも、でも、もう少し、わたしを知ってほしいのです。」
 うん、待つよいつまでも。

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最終更新:2017年08月14日 08:16