ある日、守矢神社に行こうと妖怪の山の専用道を通っていたら、変な黒いもやを見つけた
興味本位で近づいてみたら、触れたとたんにいきなり足下が抜けて、深い穴に落ちた
…どうやら古い井戸らしい

足をくじいて、擦り傷は無数にある
助けがくるはずもなく、終わりかと思ったら、ひょっこりと一人の人が上に顔をのぞかせた
なんとその人は飛べたので、引っ張り上げてもらった
まさに命の恩人なので素直な気持ちで

「ありがとう」

といったら、顔を真っ赤にして微笑んでくれた
話を聞いたらなんと神様だそうじゃないか
守矢神社に奉納するはずだった収穫した野菜を代わりに神様にあげた
神様はうれしそうに礼を言い、里の近くまで運んでくれた

…そういえば何の神様だろうか…?
まぁ、善意で人助けをしてくれるのだから悪い神な訳はないか


後日、けがも治り改めて収穫した野菜を届けにいこうとしたらまたしても足を滑らせ、河辺の大きな石に頭を打ち付けてしまった
またも神様が救ってくれた
感謝してもしきれない
野菜を礼に捧げようとしたら、本来の目的を果たしてください、といわれ、守矢神社近くまで運んでくれた
礼を言うことしかできないので

「ありがとう」

といったら、また顔を真っ赤にして、しかしうれしそうにほほえんだ

また後日、頭のけがに異常なし
神様に礼を言いにいこうと、羊羹を土産に山へ行った

今日は怪我をせずに中腹まで登った
彼女を探そうと辺りを見回すと、妖怪がこちらをにらんでいた
ここ、参拝道じゃないもんなぁ
爪を振り下ろされ、腕で防ぐも血があふれ出す
死を覚悟した…が
またも彼女が助けてくれた
弾幕で妖怪を追い払った
もう三度も救われた
怪我の手当をしてくれているときにまた

「ありがとう」

といった
彼女は何かに気づいたような顔をして、普段とは違う、迫力のある笑みを一瞬浮かべた…
すぐにいつもの笑顔になった
お守りをもらった厄除けに利くそうだ


今日、人間を助けたらありがとうっていわれた
すごく嬉しかった
嫌われたら嫌だから厄神であることは言わなかった…
言ったほうがよかっただろうか
野菜がおいしかった



また彼にあった
よく怪我する人だ
手当をしたらまたありがとうといわれた
胸が暖かくなる…
感謝の言葉を聞いたのはいつ以来だろう



今日気づいた
私が彼を助ければ、彼は私の喜ぶ言葉をくれる
だから…私は…今日お守りを渡した


今日、○○さんの家が崩落してしまった…幸い大きな怪我はなかった
今時珍しいほどの好青年でよく話したり野菜をもらったりしていたが、どういうわけか彼の周りに目に見えるほどの黒い厄が集まっていた
里の厄を全て集めてしまうほどの厄寄せ体質になったのだろう…
彼の行いが悪かったのだろうか、私にはそうは思えない…
とにかく救出した後に山の厄神の前に連れて行きに、彼の体質を改善してくれるよう頼んだ
なんと彼と厄神は知り合いだったようだ
互いにことの偶然を笑いあっていた
…少し妬ましい
…とにかく、彼が一刻も早く里に戻れる事を切に願う

×月□日 上白沢慧音追伸、彼の周りに集まった厄はなぜか彼の周りだけに被害を及ぼすようだ…体質にしてはやけに不自然だ…
私も独自に調べてみようと思う



今日から雛様の家で暮らすことになった
どうやら死に至るほどの不幸体質になってしまったようだ
厄を集めて辺りに散らすことのできる雛様のそばだけが安全
今回も雛様に迷惑をかけてしまう
なぜ僕が一晩にしてこんな体質になってしまったのだろうか
日頃の行いだろうか

…泣き言を言っても仕方がない
神様が協力してくれるのだ
きっとこの体質も改善されるだろう
雛様にもらったお守りを握り、雛様にこういった
「これからよろしくおねがいします」



○○が私の元にきた
○○が私の元にきた

嬉しくて嬉しくて笑みがついもれてしまう
彼と一緒に暮らせるなんて夢のよう
私が作る料理をありがとうといっておいしそうに食べるそれが
今回の件の感謝の気持ちが
彼の感謝の気持ちが心地よい
彼は一生ここで暮らすだろう
私が渡した厄寄せのお守りは私以外が効力を薄めることはできない
私と○○の周りには濃い厄があつまっている
誰も好き好んで近寄るものはいない

私と○○だけの、壁のない密室
彼は私がいないと死んでしまうから私に依存する
私は彼の優しい心に依存する
…すてきな関係でしょう?
じゃまするものはいない…
彼の心を私のものにして、理由なんか無しに私に依存させてしまおう
時間はたっぷりある
焦らなくていい…





本日の里の様子
最近体調が頗る良い
里も野菜が豊作、喧嘩もなく平和そのもの…○○がいってしまってからだ
彼がいなくなってみんな幸せになった…?
どうにもおかしい気がする
もっとよく調べてみよう

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最終更新:2011年03月04日 01:28