蛮奇/24スレ/55




○○「Tonight Tonight⤴ Tonight Tonight 今夜こそ オマエを~落としてみせる!」
遊女「あいそづかしの言葉がダメなあんたに似合いサね」

※※※
※※

○○「チキショーー、あとちょっとだったのにーーーー」
蛮奇「遊女が客相手に本気になるわけないでしょ」

 ここは居酒屋、人妖ともに語らいが出来る奇妙な空間であるが同時に種族を超えた
温かみのある雰囲気になっていた。外の世界で培った技術を使い、そこそこ評判が
上がってきた大道芸人の○○は、まだ若いにも関わらず金遣いの荒い恋愛をしていた。

○○「今回は結構上手くいってたんだぞ!今までと違って感触や反応も良かったし、
   雰囲気も悪くなかった。多くの客を相手にしてきたこそわかる、今度は行ける!
   そう思っていたのに~~」
蛮奇「相手もプロで、彼女はなかなかのやり手と評判の子よ。彼女が恋をしていたの
   は所詮あなたの財布だったのよ。仕事が増えても荒く貢いだから懐は寒くなって
   きたのでしょ。今度はもう少し普通の子を口説くことね」

 彼女とは初期に名を売るために営業していた時に知り合った妖怪の一人であり、独自の
ネットワークを持っていたこともあって、情報交換を兼ねた付き合いをよく行っていた。
失恋も相まっていつもより早いペースで彼女に酒を注がせながら飲む○○は荒れており、
人が落ち込んでいる話に関わらず、わずかに口元が上がっている彼女にに○○が気づく様子は無い。

○○「だかなぁ、確かに仕事は多くなってるけどよぉ、仕事の性質上浮き沈みは激しいし
   町の結束が強い分身持ちが硬てぇ子も多い。そうなるとまともに相手をしてくれる
   のは同業のあの子たちぐらいしか居ねぇわけよ」
蛮奇「それはあなたが仕事と割り切っているからよ、よく見れば脈の有ることはちらほらいるわよ。」
○○「そうは言うけど寺子屋とかにも呼ばれる分イメージは大切なんだよ。次はマジックを
   絡めた演出にも挑戦しようかなぁ…」(-д-)zZZ…
蛮奇「まぁ、脈があるのはほとんど妖怪なんだけど…芸人のくせにまじめすぎるのよねぇ…」

 時刻はもう丑三つ時、居酒屋の客もまばらになってきた頃、席の一角で二人の男女が
飲んでいた。知り合いではあるものの妖怪に隙を見せる危険性を理解していない○○は
どれだけ揺すっても起きる気配はない。迷いのない動作で介抱する彼女の瞳は酷く真っすぐな
物であり、その雰囲気に関わろうとするものは一人もいなかった。

蛮奇「けだるい愛を背負って生き続けられるほど私は強い女じゃないのよ…」スッ
   「今夜こそあなたを落としてみせるわ!」






感想

名前:
コメント:



+ タグ編集
  • タグ:
  • 蛮奇
  • ほのぼのヤンデレ
最終更新:2020年09月20日 18:29