にとりの日記帳


〇月×日

妖怪に食べられてなくなっちゃった〇〇の左腕を機械仕掛けで作ってあげた
すっごく大変だったけど、〇〇はすっごく喜んでくれた。うれしい
いきなり両手でぎゅっと抱きしめられて、わたしは恥ずかしさで気を失ってしまった


〇月△日

×日に義手を作ってあげてから、〇〇は三日おきくらいに来てくれるようになった
やっぱり一人でメンテナンスは難しいらしく、わたしにやってもらうのが一番だといって笑ってた
わたしも義手なんて作ったのは初めてだから、やっぱりいろいろと不具合もあるかもしれない
これからも改良を重ねなくちゃ


〇月□日

昨日、〇〇がわたしの家に泊まってくれた
義手の改良のためって言ったけど、本当は〇〇ともっと一緒にいたかったから
一緒にご飯を食べたり、わたしの発明を見てもらったりして、とっても楽しい一日だった
……でも、〇〇は改良って口実が無かったら、来てくれてたのかな?
そう思うと、義手に改良を施す気にはなれなかった


Ω月Θ日

また、〇〇が怪我をした
草刈り鎌で誤って右腕を深く切っちゃったらしく、ほとんど切断と言ってもいいらしい
これはきっと神様がくれたチャンスだ
〇〇はもっとわたしといるべきだって言ってくれてるんだ


Ω月Σ日

あれから徹夜に徹夜を重ねて、新しい義手ができた
しかもバランスが違っちゃ〇〇も嫌がると思って、両手一揃いのを
できばえはちょっと気になったけど、〇〇は涙を流すほど喜んでくれた
お礼に何でもするって言ってくれたから、わたしの助手を頼んだら、こころよくOKしてくれた
うれしい。これからはいつも一緒にいられるんだ


Ω月β日

また〇〇が妖怪に襲われたけど、撃退できたって喜んでた
わたしが右手に仕込んだビームのおかげだって、また感謝されちゃった
なんとか粒子っていうのを撃ち出す外の世界の技術を使ってみたんだけど、まだ左手は使ってないみたい
同じくなんとか粒子を撃ち出す、〇〇に好意を持って近づいてくる女自動撃退機。わたしの自信作だ


γ月α日

〇〇に好きな人ができたらしい
相手はスキマ使いの式の式だって、新聞に書いてあった
〇〇側から好意を持つぶんには自動撃退装置は働かない
嘘だと思って、努めて明るく〇〇に問いただしたら、好きだって言われた
嘘だ ひどい こんなのってない 死にたい


πがつξ日

ずっとずっとかんがえて わかった
〇〇はおかしくなっちゃったんだ
あたまの機械がおかしくなっちゃったんだ
わたしが〇〇のこい人なのに、あのねこが好きなんてうそだ
わたしがメンテナンスをしてあげなかったのがいけなかったんだ
〇〇、すぐに直してあげるからね


πが ψにち

〇〇のあたまノかいろ なおす
きかいじゃナくてへんなしわだらけモノがはいッテてたかラとりだして
ぜんぶきかい とりかえる


πが:=@」ち

なお:」「%$#pた
〇〇 わたし・。¥の〇〇
}*}_?*{‘P>{‘_ΛΣ


(以下 解読不能)













〇〇の日記帳





〇月×日

左腕が帰ってきた
物を持つことも、文字を書くこともできる
にとりにはいくら感謝してもしきれない
お礼と言うにはおこがましいが、今日から庭できゅうりを育てる事にする
生ったらにとりのところに持っていこう


〇月△日

メンテナンスに行ってきた
一人でもできるし、特に不都合があるわけではない。にとりに会いに行く口実だ
たしかににとりには感謝しているが、それだけじゃない
たぶん、俺はにとりが好きなんだろう
って、何で日記にこんな恥ずかしい事書いてるんだか(笑)


〇月□日

昨日、にとりの家に泊めてもらった
義手の改良のためって言ってたが、結局義手には特になにもしなかった
なんだったんだ?
しかし、俺にとってはにとりとずっと一緒にいられて、嬉しく楽しい一日だった
いつかは義手の改良だなんだという垣根を越えて、お泊りできる関係になりたいもんだ



Ω月Θ日

ちくしょう、またやっちまった
じぶんのふちゅういにあきれる
ききうではもうない かんじもろくにかけない
せっかくひだりてをつくってくれたにとりにもうしわけがたたない


Ω月Σ日

右腕が帰ってきた
しかも両手が一揃い
もう、にとりには何と言っていいのかわからない
どんな感謝の言葉を並べても陳腐になる気がする
そんな俺ができるお礼は助手になること
どだい吊りあってない
けれど、それをにとりが望むなら、これから粉骨砕身誠心誠意頑張ろう


Ω月β日

この腕、とんでもない機能が搭載されていた
ビーム発射装置って……相当高価だっただろう
それを惜しげもなくつけてくれるとは、にとりの慈愛の心には頭が下がりっぱなしだ
俺はそんなにとりを愛している
両思いになりたいなんて、そんな大それたことは考えてない
俺なんかがそんな事を言ったら、にとりの迷惑になるだけだ
でも、できる事なら俺は助手としてにとりを支えていきたい
願わくば、俺が死ぬまでずっと


γ月α日

新聞にデカデカと書かれた
あそこの新聞が確証も無しに書くのはいつものことだが、この書き方は無いだろ
俺は大の猫好きで、いつも
「よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」
をしようとして逃げられてんだ
そこで、凄い嫌そうな八雲さんとこの式に頼みこんでなでさせてもらっただけだ
猫は好きだが、子供に興味は無い。俺が好きな女はにとりだけだ
まぁにとりには好きだといったけど、ちゃんとあくまで猫の話だとわかってくれているだろう



π月ξ日

ずっと家に明かりがともってなかったから心配してたが、ようやく今日お呼びがかかった
今まで何度行っても出てこなかったからなぁ
居留守? いやいや、にとりに限ってそんな陰険なことはないだろう
きっとずっと出かけてたんだろう。できれば助手としてついていきたかったぜ
この日記を書いたら、さっそく行くとしよう


π月@日

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最終更新:2011年03月04日 01:30