月都貴人専属医療班、隊長の日記15

6月5日 少しだけ、気力が戻ってきた
○○のいる小屋と私のいる小屋との間に、連絡通路とまではいかないが、目線を合わせれる小窓を作ったのだが
あれが予想以上に私に安心感を与えている

6月6日 洩矢諏訪子だったか
彼女がいきなり私の所にやってきた
やはり彼女は、この山で高位の存在のようだ
飲み潰れていた連中が、一気に息を吹き替えし。○○のいる小屋に移動(逃げた)した
彼女は、最近のところ目元が渇くと言っていた
どこまで事実かはわからないが……
しかし、医者としての誇りで。彼女に簡単な目薬を作った
洩矢諏訪子は、素直に礼を言ってくれたが
彼女は、その後に○○がいる小屋で食事を取っていた
○○がそこにいることは、隠すことではないが。○○の作った定食を食べている姿に、どうにも何だかと言った……
いや、悪くはない。だけれども。
気になってしまう



6月10日 気のせいで良ければ良いのだが
ここ最近、洩矢諏訪子が。私や、○○
これと良く喋りたがるような
目薬の補充が欲しいとか、○○の作った料理が食べたいとか
理由は、至極まともだ
まともすぎる
気にしすぎならば良いのだが

6月13日 今日は神奈子さんと話が出来た
洩矢諏訪子さんとは、二枚看板だと言っていたが
仲が悪いとまでは行かなくとも、やや秘密を持つらしい
なにか失礼なことはやってないかと聞かれたが
むしろこちらが失礼をしていないか気になる
…………神奈子さんや早苗さんとの会話の方がやりやすい


6月15日 また諏訪子さんがやってきた
この間処方した目薬、あれをまた欲しいと言ってきた
何となく、私や○○と会うための方便のような気はしたが。彼女の眼球がやや乾いているのは事実だった
『書類仕事が多くて』聞いてもいないのに、そんなことをいきなり、そして流れるように話した
用意したかのごとく
しかし、断る理由は無い。目薬を作って渡すことしか出来なかった
その後、諏訪子さんは○○のやっている定食を食べて帰っていった

6月20日 最近、白狼さん達が大人しい
ようやく、酒盛りを少しは抑えることが出来たのか?
そうであってほしい

6月21日 白狼さん達が、少しばかり騒がしい
だが耳をそばだてたら、河童がまた変なものを作っただの、飛ばしただの、何だの
どうやら向こうの話らしい

6月25日 今日は参った
河童の徒党が、白狼の溜まり場である我々の小屋に押し掛けたのだから
医療現場で騒ぐなと言って、全員追い出したが
河童達は、代表者の『にとり』と言うものが中心となって
『あんな物騒なもの、飛ばしてない』だの騒いでいた
直訴、と言うよりは抗議か
まぁ、うるさいが健全だ。場所は選んでほしいが



いや、まさかな……
月がこんなにも時間をかけるとは、到底思えない
連中は悪い意味で、思い立ったら吉日な性格だ
連中も一枚岩ではないんだ、ここはまだ健全であるから
そう、物騒な実験を。誰かが仲間に無断でやったんだろう


そうであってくれ






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最終更新:2017年12月11日 20:02