こんばんは。今日はなかなか暖かい日だったね。最近まで寒かった幻想郷にも新しい春が来たのかもしれないね。でもあなたの心は
カチコチに凍り付いてしまっているわ。どうかしらちょっとここで私とお話をしてみないかしら?きっと心が晴れるかもしれないから。
そう…そうだったのね。確かに長年一緒にいた人が離れてしまったら寂しいもんね。とってもよくわかるよ。お姉さんの心の中には、
ずっと昔からその人がいたんだもん。だけれどもその人が最近離れてしまって、だからお姉さんも同じように恋人を作ったんだけれ
ども、結局はお姉さんもその恋人の人に依存しているよ…。それってとっても苦しいよね。自分の気持ちをずっと押し殺していて、それが
習慣になっていて、それを紛らわすためにずっとずっと長い時に渡ってひたすら実験をしていたり、あるいはずっとその人に仕えることで
自分の感情を気づかないようにしていたんだから…。
本当をあなたにも自分の気持ちがあったはずなのに、理屈では説明が出来ないそれを押し殺すことが正解だと思っていて、あくまでも
理性的に振る舞うことが正しいことだと思っていて、けれどもそれが寂しくて辛くてだから月から逃げ出したんだもんね。 どうして逃げ
出したのか、その時にはお姉さんは頭ではあんまり良くわかっていなかったけれども、心はとっても正直だよ。お姉さんの心が限界だって
ことは、よおーく自分ではわかっていたんだよ…。
だけれども地上に来て、お姉さんは結局その人のお世話をしていたよね。自分の気持ちに蓋をして自分の感情を押し殺して、それこそ
が罪なのだと思いながら、自分に思い込ませながらずっとずっと長い時を過ごしてきたんだよね。そうして長い間過ごしてきたから、
もはや自分の気持ちがわからなくなっていて、それでも心の方は悲鳴をあげていて、重い重い蓋が今取れてしまったから、ついに感情が
吹き出してきたんだよね。どうかしら?案外お医者さんでも自分のことはわからないっていうものね。だからもう、自分の気持ちに蓋を
しなくていいんだよ。自分の気持ちを大切にしていいんだよ…。
そう、確かにその気持ちを恋人の人にぶつけても、結局はそれは同じだね。お姫様に仕えていたとしても、結局は精神的に依存をして
いたんだから、その依存の対象が恋人の男の人にすり替わったっていうだけだもんね。 恋人の人のことをずっと考えていて、他の人に
目が向かないかずっと考えていることで、結局はまた自分の気持ちを考えないようにしていたんだから。
だからもう、それをやめないといけないんだ。お姉さんの長い髪、とっても綺麗だよ。昔月にいた頃、お姫様が幼かったときに、不安に
なったときに安心するためにお姉さんの長い髪をよく触っていたし、お姉さんのスカートの裾を掴んでずっと後をついていたんだね。だから
今になってもお姉さんはずっとその格好をやめていない。その銀色の髪と長いスカートで今も自分を縛っている…。だから、新しい格好をするの
がいいかもしれないね。髪を少し短くして、お医者さんみたいにスカートじゃなくってズボンにしてみると、ちょっと違った新しい自分が
みえるかもしれないよ。 知ってたかな?お姉さんはずっともっとサバサバと生きていたいと心の中で思っていたんだ。だけれどもそれを、
ずっとお姫様への罪の意識で覆い隠していたんだよ。だからきっと、新しい自分に気づくことができるかもしれないね。
きっとかっこいいと思うよ。それじゃあ、お大事に、ね…。
最終更新:2018年03月27日 22:58