人の目って、実は視界に入る物の全部を見ている訳じゃないんですよ。
例えばあなたの視界の隅っこで、何かぬいぐるみが置いてあったとしても、
それがあなたにとって重要でないのなら、ぬいぐるみはあなたの意識には入らずに、
ただただ見過ごされているんですよ。
逆にあなたにとって何か重要なことが目に入れば、そうですね…例えばあなたが気にしている人が、
視界の片隅をチラリと通り過ぎれば、あなたの目はそれを敏感にキャッチするんです。
それは人が自分にとって何が重要で、何がそうでないかを分けて普段の生活を送っているっていう事なのですね。
それは皆がやっている事でしょうし、それがないと不便だということはあるかもしれませんねえ。色々と…。
でも、だけれどね…それで見過ごされた人はどうなるのかな…。
お姉ちゃんがチラリとあなたの視界の片隅に入るだけで、あなたの目はそっちに釘付けになっちゃう。
いくら私が目の前に居ようとも、あなたの心の中からは私は消えてしまって、
代わりにお姉ちゃんが私の居場所を奪ってしまっていたよね。酷いよね…。とっても酷いよね。
だからね、私考えたんだ…。私がお姉ちゃんになれば、あなたは私を見てくれるんじゃないかってこと。
そう、今まであなたが彼女だって思っていた人が、実は気にも留めていなかった女で、
あなたが無意識の内に遠ざけていた人が、本当はあなたが好きだった人だったんだよ。どうかしら…。
実は自分の目に映っていたことが、丸っきり逆だとしった気分は。
無意識の内に見下していた女のせいで、自分の人生を狂わされた気分は。
うん?なんで今日、突然に言ったかってこと?ふふふ…、実は今日は私の誕生日だったんだよ。
幾ら何でも、他の人の誕生日を祝われるのは、あんまりだと思ったからね。
だから取り敢えず、何も考えずにぶち壊してみたんだ…。
今日は私の誕生日、あなたの心に私の存在を刻み込んだ誕生日。
これからこの日には毎年、私のこと思い出してくれると嬉しいな。なんてね…
感想
最終更新:2018年06月06日 21:31