慧音「○○、君も私と同じように少し以上に畏敬の念を持たれていてほしい」
○○「気持ちは嬉しいよ、だが慧音の隣にいられるならばそれでもう大きな宝なんだよ」
慧音「それでは不公平だ、私を本当の意味で手懐ける事が出来るのは君だけだ」
○○「やり方が荒すぎる」
慧音「子供たちに手はあげない。私が、機嫌を悪くして、物を壊したりして暴れる一歩手前になるのは。全て演技だ」
○○「そうだね、よく分かるよ。現に、この部屋の荒れ模様にも臆する必要が無いと分かっている。でもやり過ぎ。まさか小屋ひとつを潰すどころか更地とは」
慧音「私は、半分妖怪なんだよ。それを大きくみない君は貴重なんだ。私を本当の意味で止めれるのは、会話が出来るのは君だけだ。それを周りに分からせたい」
慧音「そうすれば君は、今以上に大きな顔が出来る」
○○「もう十分出来ているし、それを周りも理解してくれているよ」
慧音「人間は、忘れっぽい。○○のように個人単位では記憶力が良いものもいるけれど……全体では大したことがない」
○○「その為に、人間は記録を作る」
慧音「すぐに役立てる人間が少ない」
結局、私は慧音とそうやりながら一晩中水掛け論を繰り返した。
けれどもそれこそが、慧音の目的なのだ。会話に疲れてきた頃、慧音は私を膝元に誘った。
○○「こんな上物に、膝枕をもらえるとはね」
ややを通り越して、下世話な言葉だが。少しばかり強く笑うだけ、あるいは挑発的に胸元を少し開けた。
○○「そう」
私は短く答える。
白状しよう、私はこのとき慧音を一人の女としてみていた。
最も、慧音はそれを望んでいる。
守護者でもなく、ワーハクタクでもなく、半人半妖でもない。
上白沢慧音をみている、○○を。
○○「稗田阿求よりは、マシか……」
しかし、他の女の話は。ましてや比較には少しばかり機嫌を悪くした。
感想
最終更新:2018年10月07日 12:15