秘封倶楽部/24スレ/761-767
蓮子と
メリーが自分の美貌を利用しだしたら、もう勝ち目が見えない
そもそも表の世界で蓮メリを両にはべらす時点でヤバめの嫉妬が来るのに
場所は、閑静な喫茶店。
「はっきりと言うよ、○○くん。宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーンからはもう逃げられなくなったんだ」
「私がもはや夢美と
ちゆりから逃げる方が不利益を被るのと、全く同じ理屈だ」
「私も、○○くんも。好かれた存在に社会的な生命を握られてしまった」
○○と呼ばれた大学生風の男性を前に、別の男が。
こちらはまだもう少し年上の方が、諭すように。君と同じ境遇だから理解できると言うように。
とにかく、なだめ透かしていた。
年上の方は穏やかさを出来るだけ維持しながらも、危機感は隠しきれず。
○○の側は側で、運ばれたコーヒーには目線を一切落とさずに。
憮然とした態度で、諭している人物を。睨むとまでは行かないが、おおよそ友好的ではなかった。
「先輩は頭脳的に恵まれている、私なんかよりもずっと。その頭脳でいくらでも挽回可能なあなたに言われたくない」
大学から30分以上も離れた場所にある喫茶店で、○○は目の前の男性に苛立ちをぶつけていた。
「この間科学専門誌で、あなたの顔を見ましたよ。インタビュー嫌いの夢美教授とちゆり研究員の助手として、その広報で人当たりの良い貴方は世界中で人気のようでありますね」
「この間も学内でカメラの前で話していましたね、今度は国営放送にでも出ますか?」
そして苛立ちと皮肉をぶつけられた、先輩と言われた男性も、おおよそ失礼な態度の○○に決して怒らず。
むしろ悲しそうな表情でコーヒーを少しだけ口に含んだ。
「○○くん、私だって大統一理論を全部理解しているわけではない。夢美やちゆりに比べれば、その数十分の1だよ」
「数百分の1しか出てこない大統一基礎を、ひいこら言いながら『可』の判定をもらった俺に比べたら……ははは!」
先輩格は謙遜しつつ話をしようと努めるが。
苛立っている人間にはかえって逆効果。だからと言って上段に構えるのも悪手だけれども。
閑静な喫茶店で、さすがに怒声こそ○○は散らしていないが苛立ちは隠さず。
先輩格も、焦りを隠せない。
静かであろうとも、およそ閑静な場所には似合わない二人の空気。
一触即発にも思える空気に、周りの客は好奇心半分、恐ろしさ半分で。
普段よりも更に静かになってしまった。
先輩格は辺りに会釈を何度もやりながらも。
「状況は○○くんの方が深刻だ」
○○に対する同族意識が、辺りへの配慮や謝罪を後回しにさせていた。
場合によりけりだが、基本的には美しくて尊い感情であろう。
「そりゃ、三食与えられて。飼い慣らされたらそう思うでしょうね」
○○は相変わらずコーヒーには手をつけず。憮然としながらソファーに腰を深く落とした。
「些末だよそれは。本当に厄介なのは、私には『天才とその助手』と意見が食い違ったと言う演出が可能だけれども……○○くんにはそれだけの地位が無い」
○○のこめかみがヒクヒクと動くのが見えたが。
ここが喫茶店であることを思い出して、お冷やに口を付けて落ち着いた。
コーヒーには相変わらず手を付けない。
先輩格はずいっと、○○の方に身を乗り出した。店員も最悪を想像して体に力がこもった。
「基本的に、世の中は女性の側が浮気なり。よほどの悪女でない限り。彼氏を責める傾向にある。老婆心をどうか覚えておいて欲しい」
「あとはまぁ、先に手を出した方が悪者になりやすい。これが男女の関係ならば、なおのことなのだよ」
そう言って、先輩格は席に戻った。
コーヒーに口を付けようしたが、空であった。それを目の前にいる○○は、自分の分のコーヒーを付き出した。
差し出すではなくて、付き出した。
「良いのかい?」
「一口も飲んでいませんから。それに……そろそろ」
○○の予測は当たった。携帯電話が、何者からかの着信をけたたましく告げ出した。
「気にせずに、出なさい。宇佐見蓮子か、マエリベリー・ハーンだろう?」
○○は先輩格には目も向けず。
「むしろ両方」
そう言いながら、着信を受け入れながら。喫茶店の外に出て、電話を始めたが。
「蓮子にメリー?」
先輩格からすれば、その『もしもし』に代わる言葉を聞ければ。
その後の展開など、些末であった。
「先輩、失礼ですけれども」
電話は一分もかからずに、○○は戻ってきた。
「会談の相手が先輩で助かりました。女性なら10分で済むかどうか」
「彼女『達』からだろう?戻りなさい、きっと心配している。ここの支払いは、私が持つから。所でコーヒーは?全部残っているけれども」
「いりません!」
○○はそう、この場で初めて大きな声を出しながら。ジャケットを着て外に出た。
ほどこしは受けないと言うことらしい。
○○から先輩と言われた彼は、冷めきったコーヒーをぐいっと飲み干して。
○○とは、きっと○○の方がかち合いたくないので。
携帯電話を取り出して、自らの彼女『達』である夢美とちゆりにメールを出すことにした。
……それだけでなく、○○にもメールを送った。
『宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーンの方が苛烈だ。自説を科学的な理論で叩き潰すのとは、訳が違う方法を取ってくるだろう』
『私の場合は、夢美とちゆりに。自説の誤りを認めて頭を下げるだけで構わない場面を作ってくれる。あの二人は最悪、君を、自発的にこもらせる』
一通り送ったあと、先輩格はソファーに深く座った。
気を使って、長居しすぎたから他に何かを。
コーヒーは飲みすぎたからジュースでも頼もうかなぐらいには考えるが
居心地は、むしろ良くなった。なにせ一番いきりたっている○○が、扉を乱暴には扱ったが。出ていってくれたことで。
「大統一理論の理解は深まった?」
○○は自宅にてメリーが--少なくとも蓮子とメリーにとっては--、三人も並んで寝られるようなベッドで!
三人並んで寝ても余裕のあるベッドでの読書中に、メリーがお風呂上がりの。
さすがにタオルを巻いただけではないけれども、中々の薄着で、○○の横に滑り込んだ。
そして○○の横には、○○の読んでいる本を覗き混んだり、表情を見つめる蓮子がいた。
「まぁ……ある程度は。蓮子とメリーのお陰で大統一理論の基礎理論に『可』はもらえる頭に育ててくれたから……先輩の話も、理解できたよ」
全て嘘なのだけれども。全く理解出来ないどころか。
今日の先輩との会談は、先輩が手を回して蓮子とメリーに、大統一理論の個人授業と言うことになっているが。
その実は全く違って。先輩から○○への、降伏勧告であった。
「そう、良かった」
疑う様子は見せずに、メリーは○○の隣に。
三人も並んでも余裕のあるベッドに寝転んだ。
こうしてベッドには、蓮子とメリーと○○が並んで。
真ん中は○○だ!○○は自分で自分をを『どこの王さまだ!』と、胸の中で自分自身を馬鹿にしていた。
「嘘ね」
メリーが○○に熱い口付けをした、まさにその時であった。蓮子は○○の説明を否定した。
「どっち?蓮子の考えすぎかしら、それとも……」
○○は口を開こうとしたが、そもそも個人授業が嘘なのだから、新しい知識など手に入れていないから。なにも言えなかった。
「○○が読んでいる小説、判を押したように60秒から80秒の間でページがめくられているのよ」
そして蓮子に先手を奪われたが、説明をする蓮子の表情は心苦しさが表れていた。
「それに、前の段落やページの内容をもう一度頭にいれて読み直すのは。論文や科学書でなくても、小説でもあるはずなのに」
「十分よ、蓮子。あなたが時間の感覚を間違うはずがないもの」
これ以上に、窮している状況は。○○年も中々思い付かなかった。
さながら、名探偵とその相棒から。完全に疑われた形である。
「あの先輩、それ以上に夢美教授とちゆりさんの相方と会っていたのは、信じるわ。とうのその人から、三日も前から個人授業の話を。しつこくされたから」
メリーはまだ嘆きの感情であるが。蓮子は獲物を完全に捕らえた名探偵のように、冷たかった。
「蓮子、そんなに責めちゃダメよ。女とは会っていないのでしょう?」
「だとしてもよ、話の内容が問題なの。ただの授業でないのは確かなのだから。サボりでカラオケにでも行ったのなら、まだ笑えるわ」
メリーの作りたがった、○○のための逃げ道を蓮子は潰していった。
蓮子とメリーは、○○を愛している。
それと同じくらいに、メリーは蓮子の能力を信頼していた。
「ねぇ、夢美教授とちゆりさんの助手さんと。何を話していたの?」
かくして、メリーも蓮子の側に。○○を疑う方向に走った。
この場は観念して--この場だけ、諦めていない--○○は読んでいるふりの本を閉じた。
「先輩から、夢美教授とちゆりさんの助手さんから、あの男から。降伏勧告をもらったよ」
降伏勧告。その単語を聞いたとき、蓮子もメリーも、悲しいと言う。
演技ではなくて、確かに悲しいと言う表情を作った。
「ふふ、ふふふ……」
蓮子が、悲しさを誤魔化すように笑って。
「別に、私は。○○とならいくらでも。やらしいことが出来るわよ」
急に苛立ちながら、○○へ口づけを。
○○の唇に、無理やり口づけを行おうとしたが。
それを○○は身体をよじりながら、明らかに拒絶した。
先ほど喫茶店で会った先輩からは、きっと悪手だと言われて嘆かれるだろうし。
それ以外の男性からは……こちらの方が問題だ、明確な嫉妬を注がれるだろう。それも全く隠されず。
最悪、暴力的な発作を相手に誘発させるだろう。
「ただ、これだけは認めるよ。蓮子もメリーも、二人とも上の上の更に上ぐらいと言っても過言ではない……」
その言葉は拒絶と称賛が半々に混じった、おかしな言葉であった。
「じゃあ、何故?だったらもう、それで良いじゃない」
蓮子はメリーと比べれば、活発な方であった。つまり動くのも早いと言うことだ。
メリーよりもずっと力強く、○○の唇を奪いに行ったが。まだ優しさを内包しているような強さであった。
つまり、蓮子が本気でない以上、○○がそれをいなすのはそこまで難しくないのだ。
蓮子が少しばかり唸った。それをメリーが蓮子の肩を撫でたりしながらなだめつつも。視線の大半は○○の方向であった。
何か言いたそうなのは、明らか。○○は先手を打って場に割り込むように話し出した。
「世間的には完全に、『俺が』美人と美人の間で二股をかけているのと同じだ」
「私達はそう思わない、一妻一夫にこだわる必要はない」
メリーは気にする必要が無いとはするけれども。
「世間がそう思うし!俺はこだわる!!そして俺もどちらかと言えば、世間と同じ理屈で生きている!!」
○○は拒絶する。
「先輩はもう気にせずに、夢美教授とちゆりさんの二人の間に収まってるじゃない」
だから私たちもそうしましょうよと、蓮子は提案する。蓮子の方が熱っぽいらしく、肌を触れようと求めてくるが。
依然として○○は態度を変えずに、自らの劣情や浴場から遠ざかるために。蓮子の肌を拒否する。
蓮子の力がまた強くなったが。
嫌な言い方をすれば、男の力でならアスリートではない蓮子の力など、いくらでも何とか出来る。
「先輩のような恵まれた頭があればそれも妥協点の1つだよ!?」
○○は蓮子を、肩に手をかけて少しばかり突き飛ばしてしまったが、何とか向こうに遠ざけた。
嫌な感覚だ。持って生まれた男の力に頼っている、○○は自己を恥じていた。
けれどもこれ以上、恥を上塗りしたくない。
ヒモだなんて。
「先輩の場合は、天才だけれども生活能力の無い岡崎教授と北白川ちゆりさんの助手でお守りでお世話役と言う立場を手に入れても」
「そんな都合の良い場所にいても許されるぐらいに!大統一理論を世界で何番目かによく理解している」
「俺にそこまでの頭があると思うか!?科学専門誌の表紙を飾れるような頭が!?無いから浴びせられる嫉妬で狂い死にそうなんだよ!!」
「世間的には、俺はヒモでしかない!!逆立ちしても、先輩のように天才の世話役のような立場には座れないんだ!!」
一通りの事を叫んだあと、○○はベッドに倒れ込むように横になった。
「嫉妬、そうだ嫉妬だよ。大学内の殆んどの人間から、男からは嫉妬で女からは二股野郎と非難される」
○○の意思は変わらない。全くもって。
「追い出されましたと、ヘラヘラ笑いながら言うのが一番無難な展開だ。どんなやつの学生時代にも、そう言う女たらしはいるさ」
「無難?何を考えているのかしら」
メリーが○○と添い寝しようとするが、○○は枕に顔を突っ伏して拒絶した。
「気にはなっていたのよ。最近、○○ったら荷物をひとまとめにしているわね」
蓮子からの指摘に○○は「ああ……」唸りながら悔しがるけれども。
「出ていくつもりなの!?」
メリーからの悲鳴に限りなく近い声が、○○の唸り声などかき消す。
「ここからなら大学には近いが……その程度の利点はもう消し飛んでいる」
しかしその程度で、美人からの悲鳴に意思を曲げることはなかった。
そもそも学内での人間関係が最悪になっているのは、蓮子とメリーのせいだから。
「向こうの部屋で寝る」
手こそ上げないが、それ以外では可能な限り○○は蓮子とメリーへの苛立ちをぶつけていた。
「……メリー。明日は土曜日よね、土曜に予定は?」
あわあわ言いながら○○を見送ってしまったメリーとは対照的に、蓮子は何かを思い描いていた。蓮子が強いのは数字だけではないようだ。
「無い、けれども……」
「世間なんてクソ食らえだけれども、利用は出来るのよね……私もメリーも、美人と言う立場を使うのは何か癪だけれども」
ぶつぶつ言う蓮子に、メリーはまだよく把握できていなかった。
「蓮子?」
「メリー、土日は○○の社会的立場のために家で傷を癒しましょう」
何かが、重量物が倒れ込む音が、ひとまとめにしていた荷物を枕代わりにしていた○○の耳に飛び込んだ。
まともな枕でない上に飛び出してすぐだから、普段の睡眠時以上に鋭く聞こえた。
「何だよ、喧嘩か?俺のせいで?」
ドッタンバッタンと、音は絶えることが無かった。
さながら乱闘の音である。
○○は更にいきり立ちながら、先ほど飛び出した寝室に向かった。
「何だよ!今度は勝った方が正妻にでもなるつもりか!?」
「まさか、私は蓮子も○○も。両方愛しているのよ。この大喧嘩は演技よ、安心して」
飛び込んだ○○と違って、メリーは冷静であった。
ただし、鼻から血を止めどなく流していなければ。凛々しい姿で済ませることが出来たのだけれども。
「……メリー?」
「良かった、まだ私の事をマエリベリーではなくて、愛称のメリーで呼んでくれて」
笑顔と流血を一ヶ所にまとめるのは、矛盾の塊であった。
「正直、こんな手は使いたくなかった。でも○○を留めるのにこれ以上に即効性のある方法がないの、ごめんね」
蓮子は呼吸も荒くなりながらも、それでも必死で○○の為に言葉を紡いでいた。
恋人への美しい献身であるが、しかしその献身にこそ○○はゾッとした。
「メリー、加減しろとは言わないけれども。急所はもう少し外してよ」
そう言う蓮子の衣服は、ズタズタのビリビリに引き裂かれており。
裂かれた服の隙間からは、蓮子の柔肌よりも赤い痕や引っ掻き傷の方が鮮烈であった。
よく見れば、メリーの衣服も。片方の袖が根本から破かれていた。
ノースリーブと言うには、かなり厳しい見た目であった。
こいつら、もう片方を倒して世間の理論に近づけようとしたのかと○○は考えたが。
「ねぇ、○○。この状態の私やメリーが、泣きながら外に飛び出して。『襲われました、助けてください』って言ったらどうなるかしら」
蓮子の描いていた絵図は、○○の予想を遥かに上回る凶悪な物であった。
思わず○○は、メリーも蓮子も、どちらも部屋から出ていかぬように。出入り口にて仁王立ちを見せた。
「大丈夫よ、○○。それは最終手段の中でも、一番最後に……取らざるを得ない展開だから」
蓮子はそう言いながら座り直そうとするが、筋を違えたのか座るだけでも顔を苦悶に歪めた。
「でも世間は信じないでしょうね。そもそもこの部屋は、メリーの持ち物で。そこに女友達と一緒にならまだ、世間も問題にしないけれども……」
「これ以上悲しい話はしないで」
そのあとの○○は、記憶が無かった。
警官が目の前に来る夢を見て飛び起きたら、時刻はもう昼前であった。
土曜日に授業は入れてなかったので、眠らせてくれたのだろう。
「どこまでが夢だ」○○は事態を否定したがったが。
「捕まる以外は事実よ」メリーが無情にも現実を突きつける。
メリーはにこやかであったが、鼻っ柱が赤く腫れており。
今日は破れたのではなくて、確かにノースリーブを着ていたが。
両の腕は鼻っ柱以上に生々しい、引っ掻き傷や赤い所か赤黒いアザまで見えた。
「大丈夫よ、蓮子が手加減してくれたから。腕のアザは長袖で隠せるし、鼻の赤みも、朝よりも良くなってるから月曜には消えるわ」
全て事実なのである。蓮子とメリーに脅された事は、現実にあったのである。
そのあとに見えた警官だけが、夢なだけで。その気になれば蓮子とメリーはあれを実現できる。
「さぁ、お昼にしましょう。蓮子も待ってるから」
呆然して周りの判別が付かなくなった○○を、メリーは優しく起き上がらせて。
その上、着替えまで手伝ってくれた。
肌は多少なりとも触れるが、メリーは気にしない所かそれを望んでいた。
夢遊病のようになりながら、メリーに手を引かれて食卓に座った。
横には蓮子がいた、その笑顔はいつもよりも強めであったが。
計算高い蓮子の笑顔こそ、○○には恐怖であった。
そして皮肉にも、その恐ろしい笑顔が○○の意識を呼び覚ました。
「やっと頭が冴えてきたのね」
そして蓮子もメリーと同じくノースリーブ。メリーと同じく、腕にはアザがあった。
生まれつきの色味ではなくて、暴行によって着くアザがである!!
蓮子はそのまま強めの笑顔を携えたままで、ノースリーブの隙間からワキの向こう側。
ブラジャーに阻まれて見えないが、胸元にもアザが!
胸元に至っては、赤黒いを通り越して紫じみた黒さであった!!
「クスン、クスン……アイツが私を殴ってきて……メリーに襲いかかって……メリーが逃げてって言うから、私は逃げたけれども、人を呼ばないとってすぐに……」
○○が自身の感情を全て整理する前に、蓮子はわざとらしく泣き真似をしながら、○○の方をチラチラ見ていたが。
これによって○○は、自身の感情が原因で致命的な発作を起こした。
「ああああ!!?」
○○はイスを転がしながら、トイレに駆け込んで。
「オエエエエア!!」
そのまま、不快な音を便器の中に垂れ流した。
「蓮子……意地悪しすぎよ」
「ご、ごめんねメリー……」
「私よりも○○に謝らないと。○○、たぶん夢の中で警官に捕まったから」
「ゾッとする想像ね……」
そもそも蓮子がそんな状況の一歩手前まで追い込んだのに。
蓮子は深く心を痛めた表情を浮かべながら、○○の下に駆け寄った。
感想
- 吐き気を催す邪悪だな。この2人。 -- 名無し (2022-05-13 00:23:02)
最終更新:2022年12月26日 00:47