魔理沙「○○って何で外に帰らないんだ?」
○○「そうだな、今の生活と外での暮らしを天秤にかけた結果だろうか?」
魔理沙「マジか。私にはお前が哀れに見えて仕方ないけどな」
○○「魔理沙お前、首にナイフ当てられてる状態でよくそれを口にしたな」
魔理沙「乙女は度胸だぜ」
咲夜「度胸と無謀は違うわよ。私が腕を引くだけで死ぬだけの盗人風情が」
魔理沙「そうしたら○○はお前にどんな感情を抱くだろうな?」
咲夜「ちっ……」
レミ「いやいや、生きてさえいれば薬師がなんとかするでしょ。というわけで私右手」
フラン「じゃあ私右足」
パチェ「左足」
美鈴「では押さえ役の咲夜さんに代わりまして私が左手ですね」
魔理沙「……○○助けてくれ。こいつら思ってたよりヤベェ」
○○「はぁ……皆、ステイ」
レミ「冗談よ、今はね。で、○○の何が哀れだって?」
魔理沙「こんな所でお前らに囲われてることがだよ」
レミ「ごめんね○○。冗談じゃなくなったわ」
○○「はえーよ……それで、魔理沙。お前は俺の境遇が不満なのか?」
魔理沙「逆に聞くが○○は現状に満足してるのか?広いとはいえ館に閉じ込められて、こいつらに愛を囁く生活でいいのか?自由への渇望や、外の世界への望郷の念は無いのか?」
○○「望郷の念については無いと言えば嘘になるな」
魔理沙「そうだろう?」
○○「けど、俺は今に不満は無いかな」
魔理沙「な……」
○○「魔理沙は俺を哀れだと言ったが、ならお前は幸せなペットと不幸な野良のどちらを哀れむんだ?」
魔理沙「人間は畜生とは違う。何よりお前は外を知っている」
○○「放し飼いのペットも、飯や寝床はより美味かったり快適な場所を選ぶんじゃない?それに人間だって辛いより楽しい方を好むし、不幸より幸せな方がいいって奴の方が多いと思うぞ」
魔理沙「っ……けど!!」
○○「とまあそれっぽいことを言ってみたけど、俺が外に帰らない理由は他にある」
魔理沙「……なんだ?」
○○「俺が帰ったら皆が泣くから」
魔理沙「は?」
○○「外に帰ってやりたい事、会いたい人、食べたいものなんて沢山あるけど、皆を泣かせてまでの欲求かと問われれば違う。これが理由かな」
魔理沙「……はは、惚気かよ」
○○「悪いな。けど事実だ」
魔理沙「うへえ、私ただの嫌な奴じゃん」
○○「いや、魔理沙の義憤は友人として素直に嬉しかったよ。ありがとな」
魔理沙「やめろよな。お前がそういうこと言うから咲夜が刃当ててきてる」
○○「咲夜、ステイ」
咲夜「はい」
魔理沙「はーやれやれ。じゃあ、友人の平穏は確認できたし私は帰るよ」
○○「もう遅いし泊まっていけばいいのに」
魔理沙「やだよ。五体満足で朝日を拝める気がしないし……何より馬に蹴られたくない。またな」
○○「おう……って、馬?」
レミ「魔理沙の奴、よく弁えてるわね」
咲夜「そうですわね。私達が限界だって分かっていたようですし」
○○「え?限界」
パチェ「あら、あんなに情熱的なことを言っておいて惚けるの?」
フラン「私達の涙にそんなに価値を見出してくれてたのね。とってもとっても嬉しいわ」
美鈴「私、今なら死んでもかまいません」
○○「え、ちょ、皆、なんで服脱いで……ていうか柔らかいものが当たって──」
「「「「「当ててんのよ」」」」」
○○「う、うおあああああああああああ!!」