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639: ○○ :2020/09/05(土) 17:56:39 ID:******
横山光輝の三國志読んでたら
曹操が「あの猛勇を連れてこい!話がしたい!」っつたら
部下がよくわかってなくて、ボコボコにして連れてきたら、曹操がぶちきれたってネタがあったんだが
これ、ヤンデレに応用出来そうだなと思っちゃった

641: ○○ :2020/09/09(水) 23:00:28 ID:******

639さんのネタを使用しました。


 ~人生には選択肢が二つある。即ち進むべきか・・・~

「どういうことだ?」
素っ頓狂ともいえる、ある種出し抜けの疑問。普段の彼女を見ていればこの様な気の抜けた、本心のままの疑問
を見る機会など殆どないであろう。それは依姫のどちらかといえば真面目とも言える性格のせいでもあるし、
月の都の中で重要な政務を執り行うためでもある。その彼女が今この瞬間は、状況を全く理解できずに疑問を
呈していた。
「はっ!依姫様が以前お話になっていた人物を、こちらに連れてきました。」
「それが…一体…。これはどういうことだ?」
地面に転がされている○○を見れば、普通に連れてきた訳ではないのは明らかであった。いくら月の都が厳格な
身分制であったとしても、流石にそこまでいけば行き過ぎだといえよう。手錠を後ろ手に掛けられて、
僅かに身じろぎをするのだが、服の下を殴られているのだろうか。苦痛に顔を歪めながら、依姫を睨んでいる。
「貴方様の御人徳にあります。」
胸を張って、むしろ誇らしげに語る部下。硬直していた依姫の頭の中で、氷が溶けるようにゆっくりと現実が
染み渡ってくる。これではまるで懲罰の様ではないか。依姫が考える。悪い予感が頭の中に巡る。まさか、まさか
私の話を部下は聞き違えたのだろうか。いつかの気にも留めていなかった、話しの隅にに登った僅かな言葉の切れ端から
このような事件が起こるとは、流石の依姫にも想像できなかった。しかし部下達のの様子を見るに、それは本気で
そう思っているのだろう。依姫が不快に思っている、最近目立つ下級兵に道理を分からせてやったと。

 依姫の息が荒く漏れる。目の前がチカチカと光り出し、地面が歪む感覚が視界の中を蠢く。ああ、一体どういう
悲劇なのだろうか?まさか自分が思っていたことと丸っきり逆のことが起きるなんて!
「た、退出しろ!今すぐにだ!!」
「はっ!」
敬礼と共に部下達が部屋から出て行く。依姫が震える手でモニターに浮かぶ呼び出しボタンを押した。数分以内に
貴人用の医療班が駆けつけるだろう。しかし…一体どうすればいいのだろうか。このままではいけない。
当然そんなことは依姫にも分かっていた。○○の鋭い目が依姫を今も睨み付けている。嫌われてしまったのだから
いっそこのまま○○を拘禁して…そんな考えが脳内で過ぎり、必死にそれを打ち消していく。歪んだ欲望に囚われる
ことを恐れるかのように自分の胸を握りしめる。二つの選択が目の前で揺れている、苦難に濡れた王道を進むべきか、
それとも悪を尽くす覇道を手に入れるのか。もう間もなく来る医療班に、○○をどちらの区画に連れて行くように
指示するかで、彼の運命は全く別のものになってしまうであろう。後方に位置する安全な特別医療区画か、それとも
今までに生きて出た者がいない司令部奥の特別室か…。

決断までの時間は、もう間もなくであった。





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最終更新:2020年09月28日 23:00