幻想君主論
1、伴侶を得た際にこれを失わないためには如何に行動するべきか。
さて、序論に加えてここからいよいよ本論に入りたい。
この幻想郷において伴侶を得た際には、如何に行動するべきであるかを考えていきたい。
過去に数多くの幻想郷の女性達がこの問題に取り組まないことで、悲劇的な結末を迎えたことは論を待たない。
これについては多くの過去の論者が繰り返し論じていることでもあるが、私はこれにある種の注意書きを付け加えたい。
即ち、泥棒の悪意にさられたとしても二人の愛が確実であるならば、
恐れることは無いと書いているものがあるが、これについては十分に注意が必要である。
このような記述は、例えば神霊廟の首領である***の書いた**という
書物において記されているのだが、この本の読者においてはこれを実行しているのが、かの有名な人物であるという
ことを念頭に置く必要がある。
彼女は並外れた力量を持っており、知恵も十分であるどころか三国随一といっても差し支えない人物である。
このような人ならば何も策を練らずとも取り立てて危機は起きないのであるが、通常の力量を持つだけの
人物が無策でいるならば、それは運命の女神に伴侶の命運を託しているだけである。
勿論ある程度の幸運に恵まれているならば、平穏に生きて行くことも可能であろう。しかし一度悪運に見舞われた
ならば、侵略者はあっさりとあなたの最愛の人物を奪ってしまうことであろう。
そしてあなたに残されたのは、灰色の人生である。
これを読んで気分を害される人もおられるであろうが、私はここでしっかりと注意を込めて書いておきたい。
あなたの伴侶が奪われてしまうのを、指をくわえてむざむざと起こしてしまうのか、それとも事前に対策を練って
しっかりと迎え撃つことでそれを防ぐのか、賢明な人ならばどのような行動をとるべきかお分かりになるであろう。
さて、このような本を読んでこれを大いに批判する人物が居るのかもしれない。
即ち、恋愛は神聖であり策略などは似合わない、ということを述べる人物はこれに当たる。
実はそのような人物に対してこそ、大いに注意が払われなければならない。
このことは少し前に人里で起きた出来事を記載すれば事が足りるであろう。
ある女性が婿養子として伴侶を迎え入れようとしていたのであるが、その男性の周りに別の悪い女性が迫ろうとしていた。
悪い女性は男性に対して、婿養子として**家に入るのは政略結婚であるとか、あるいは女主人が過去に箒を使って空を飛んでいたことから、魔女が
悪い術を使って男性を唆かしているなどど嘘を吹聴し、女主人が男性を騙そうとしていると思わせようとしたことがあった。
幸いにして、女主人はそのような女が男性の周りを辺りをウロウロしていることを事前に知っていたため、
逆にその女性の隠している不都合な事実を男性に知らせることで、男性が悪女に騙されることを防ぐことができた。
もしも女主人が全くの無為無策であったならば、不道徳な女性が男性を騙し取り、男性はその女性の異性関係に大いに悩まされることに
なってしまったであろう。
思慮深い人物ならば是非このような人物の暗躍を許してはならない。それはとりもなおさず、
伴侶の人生すらも不幸にしていまうのであるからなのだ。
感想
最終更新:2020年11月29日 22:02