「……ああ、どうぞお話続けてください」
早苗は、
諏訪子が実はも何も間違いなくあの忘八たちのお頭に対して熱を上げていると、そのもはや明確な事実を指摘した後も立ち去ろうとはしなかった。
イライラはしているような気配はあるけれども、それ以上に諏訪子の歯をきしませる様な表情と忘八たちのお頭の諏訪子と早苗を交互に何度も落ち着きなく見やっている時に出している焦りや混乱、これらを早苗はその眼に映すことによって間違いなく感じているし無視は出来ないはずのイライラがあるけれども、イライラの原因である諏訪子と、諏訪子が気に入っているを通り越して熱を上げているとしか言いようのない忘八たちのお頭のパニックとも言えるような感情を見る事によって、許容範囲内にまで抑えることに成功していた。
「早苗、お前が私のやり方に意見の違いからイライラを感じているのは十分に理解している。理解しているからさ、もう何も言わないでおいてあげるからこの場は立ち去った方が賢明じゃないか?」
諏訪子は明らかにこの場に居座る気が満々の早苗に対して、優しいような横暴なような言葉を出して立ち去る事を勧めたけれども。
早苗にとっては諏訪子の子の提案は悪い方向に、横暴であると映るしかなかった。
「まぁ……気が向いたり飽きたりしたら」
早苗は諏訪子からの、早苗の視点からすれば諏訪子の横暴な提案に対抗するかのようにまともには取りあわない様子で、諏訪子が熱を上げている忘八たちのお頭の近くを鬱陶しくなるようにちょろちょろと動いていた。
ただし、諏訪子の事を本気で怒らせないように、早苗は彼の体には絶対に触れずに彼の持っている書類のみに注意を向けていた。
確かに諏訪子の事を完全に怒らせてしまっては、それはそれで早苗にとっては負けであると理解していたからというのはあるけれども。
実態や、早苗の考えている都合の方が酷かった。諏訪子がこれを知れば触らないのは諏訪子を怒らせないためと言う、ちょっかいの中にもある冷静な思考と違って……早苗の指摘した所によれば忘八たちのお頭の前ではどうにも、乙女の顔をしている諏訪子はこっちの考えの方が怒り狂うだろうなと早苗はヘラヘラニヤニヤした顔の裏でも冷静にあるいは冷徹なまでに考えていた。
東風谷早苗にとっては今自分の目の前にいる、忘八たちのお頭に対しては全く何の魅力も感じていなかった。顔立ちに関しては中々、整っているじゃないかとぐらいには思う事は出来るけれども、別に早苗はアイドルにうつつやおかしくなったように応援してしまう様な、そんな浮ついた性格は持っていなかった。
だから東風谷早苗は、はっきりと忘八たちのお頭に対して魅力を感じないと心中では断言していたけれども、諏訪子を怒らせてしまうのは得策ではないのでニヤニヤヘラヘラとしながらちょろちょろしつつも。
「なんか私の追いかけてる案件と、もしかしたら関係あるかもしれないんですよね~」
そうわざとらしく言いながら、忘八たちのお頭の顔は全く見ようとはせずに、彼の持っている書類の中身ばかりを気にするような動きだけをしていたし、実際早苗が今抱いている興味は本当に書類の中身ぐらいだ。
忘八たちのお頭は、最初はちょろちょろ動く早苗を避けるようにぐるぐると動いていたが、不意に何か思い直す考え直すような部分が出てきたのか、早苗の事を思案気にその顔を見てきた。
忘八たちのお頭に一切の男性的魅力を感じていない早苗は、決してこの男が早苗に対して何らかの魅力を感じてなどはおらずに忘八という生き様らしく何らかの策謀を企てているのは、早苗としても十分に理解してはいたけれども。
いたけれどもだ、たとえ策謀以外の事をこの男が考えてなどはいなくとも、この男とは目線を合わせたくは無かった、早苗はこの忘八たちのお頭にちょっかいをかけているというのにだ。それは嫌というか、そもそも最初から目は合わせるというちょっかいだけは避けていた、軽々しく他の男に気を許すというのだけはやりたくなかった。
「はん!」
早苗の様子を見た諏訪子は、お返しだと言わんばかりに彼女の事を鼻で笑った。
「早苗、お前も私と同じだ。お前は私がこの男を相手にしている時に、乙女の顔をしていると言って笑ったが、お前の今の行動だって乙女のそれだ!誰かへの操(みさお)を立てたくて他の男との仲を、あまり強めないようにしているんだろう!?」
喋っているうちに指摘しているうちに、嘲笑よりも腹立ちなどの燃え盛る感情の方が勝ったのか、言い終える時には諏訪子はかなり強い調子と表情で早苗に言い迫った。
「…………っ」
早苗は諏訪子からの強い調子の、というよりは怒りすらをもにじませる調子の指摘に対して、何も思わない訳ではなかったけれどもこの状態の諏訪子との喧嘩が、とてつもなく不利と言うのはさすがに早苗も理解していたので舌を打つ程度で、心中に関してはそんな程度では絶対に無いが何とか早苗は抑えていた。
忘八たちのお頭はと言うと、相変わらず早苗の顔を――幸い、策謀を巡らせているような顔だった。気に入ったわけでは無さそうなのはまだ早苗としては救いだった――見ながら思案を重ねていたが、諏訪子の怒気に対してこちらの方がやや以上に不味いなと思ったようで最初よりも諏訪子に対する目配せの方がよっぽど大きくなった。
そして諏訪子を落ち着ける意味もあるのだろうけれども、忘八たちのお頭はスッとした、いやに洗練された動きで諏訪子の横合いに移動して、彼女に対して自然な動作で耳打ちを行おうと動いていた。
諏訪子も忘八たちのお頭からの耳打ちに対しては、慣れているというか何度味わっても飽きる事がない、甘美な魅力を持っているとでも感じているのだろうか……。
とにかく諏訪子は、先ほどまではちょっかいをかけに来た早苗に対して非常な怒気をはらんでいる表情をしていたが、忘八たちのお頭が近づいてきたら明らかにその表情が和らいでいたし。
諏訪子の動きにも、特筆すべき点と言うのを嫌でも早苗は見つけてしまった。
諏訪子は近づいて来た忘八たちのお頭のゆっくりとした、うかがう様な動きにそんな必要は無いとでも言わんばかりに、彼の腰に対して諏訪子自ら手を回してやって近づけてやり、その耳を近づけてやってと言うよりは好物を前にして飛び掛かる様な、そんな勢いすら早苗には見えてしまうぐらいの勢いで諏訪子は忘八たちのお頭に、彼が自分に耳打ちをしやすいようにと諏訪子は急いでそんな形を作っていた。
早苗はその姿を見て、諏訪子が耳を差し出す勢いにせよ忘八たちのお頭の腰つきに対して手を回すその様子にせよ、何より先ほどに早苗が指摘して諏訪子にはお前も同じような顔だぞを反論された乙女の表情、それらすべてに対して早苗は洩矢の二柱の一つであるはずの洩矢諏訪子に対してはっきりと。
声こそ出さないがはっきりと、早苗は諏訪子に対して気持ち悪いと思った。
そう思ってしまった事に対する罪悪感だとか忌避する感情は、早苗は一片たりとも抱く事は無かった。
「ああ……悪くない。そうは言ってもただの人間の力しかないあんたが相対するには、ちょっとどころじゃなくてしんどいからねそれは……うん、使えばいいよ」
諏訪子は忘八たちのお頭にカッコつけたいという気持ちも、無論の事ではあるのだろうけれども最後に呟いた『使えばいい』と言う言葉には邪悪で嫌悪感を早苗が催すには、十分な歪んだ笑みであった。
早苗は諏訪子とも同じ屋根の下で暮らしているから、度々忘れてしまう事があるけれども諏訪子が祟り神であるということを思い出させるには、実に十分な攻撃性とあるいはいやらしい感情を見て取る事の出来る諏訪子の歪んだ笑みであった。
「ほら、気になるんだろう?実際こいつは早苗向きの案件だ」
反撃の機会を得れた事に、諏訪子は大いに気を良くして書類を早苗の前にピラピラと広げてきた。
こうなると急に、そもそもがちょっかいをかけると言う事を主軸にしていたので諏訪子の方から見せてやるなどと言う態度を取られてしまっては、興味と言うのがまったく無くなってしまったのだけれども。
早苗がそうなる事は諏訪子も十二分に理解していたから、書類を見せつける方向や方法に工夫が存在していた。
諏訪子が持っていた忘八たちのお頭の書類は、裏側ではなくて表側を晒しながら早苗に見せつけていたし、忘八たちのお頭に運と言うのが向いているからなのか文字の大きさにも諏訪子にとって有利な部分が存在していた。
忘八たちのお頭は誰かからの報告を受けて、メモ書きを記した際に余白の大きな部分を占めるように『純狐!?』と書いたのだ。
小さな文字をキレイに書く精神的余裕も無かったのかもしれないが、早苗に一発で中人人物の名前を知らせるその役には、大いに立ったとしか言いようがない。
「純狐……」
実際に早苗も、純狐の名前には無視をできずに反応を見せてしまった。
釣られたような形の早苗の姿に、諏訪子はわざとらしく眉毛を動かして嬉しそうな表情を作って見せつけていた。
仮にここで早苗がやっぱり諏訪子の思い通りにはしたくないと考え、それによって飛び出してしまったとしても、その時はその時で当初の予定通りに諏訪子が前に出ればいい。
諏訪子が前に出れば熱を上げている男にカッコをつける事ができるし、早苗が結局は自分の興味に抗うことが出来なかったとしても、諏訪子は熱を上げている男と密談が出来る、今の状況はどうあがいても諏訪子の得にしかならなかった。
「ちっ……」
早苗は諏訪子が今の状況を、どう転んでも楽しむことが出来る事に気づいて、大きく舌を打つ事しかできなかった。
そのまま早苗はふるふると首を何度か降って、色々と考え事をするための時間を作った。
ちょっかいを描けている愉悦はとうに消え去り、イライラしているので早苗自身もこの思考が果たしてまともだったり、いわゆるいい考えなのかは自信が持てなかったけれども。
それでも、諏訪子がどう転んでも今の状況に損と言う感情を抱かないのは認めなければならない、ならばもう少し長期的視点に立つ必要があった。
――具体的には○○さんの事だ。
今回の一件に置いて、純狐が中心的存在なのは明らかである。ならばその動向は○○さんもつぶさに知っておきたいはず、増してや遊郭内部に情報網こそあるだろうが立場的に稗田阿求のせいで遊郭内部に、○○さんの性格的に絶対に現地調査がしたいはずなのに出来ていない現状においては……
東風谷早苗はこう思った、比較的近しい自分からの証言や報告はきっと有用だろうと、強く思った。
東風谷早苗は自画自賛の気配を感じつつも、それを内省したり増してや否定等はしなかった。
東風谷早苗の口元に少しばかり、笑みがこぼれた。
(乙女の顔だ)
早苗は自分が笑みを浮かべている事に、気づいていないようで諏訪子の警戒する顔に気づかなかった。
「じゃあ、まぁ。首を突っ込んでいいとおっしゃるのであれば、不肖ながらこの東風谷早苗、思いっきりかかわってやりますよ」
そのまま早苗は、諏訪子に対して乙女の顔だなという印象を持たせてしまった表情のままで、諏訪子の持っている書類を受け取った。
「……はぁ」
諏訪子はなぜだか急に機嫌を直した様子で、書類を受け取ってウキウキとして首を突っ込み始めた早苗の後姿を見ながらため息をついたが……とても重々しかった、警戒心の表れだからだ。
「悪いが、少し席を外すよ。まさか遊郭じゃなくてこっちの身内から火種を見つけてしまうとは」
「洩矢様?」
忘八たちのお頭が心配そうに諏訪子の名前を、形式に則った呼び方をしたが。
「諏訪子で良いと言ってるだろ。あんたからならそっちの方が良い」
早苗が見たら今日一番の腹立ちや、あるいは口汚く罵りそうなほどに乙女の顔をしていた。
「ええっと……そうですね諏訪子様」
忘八たちのお頭が諏訪子の言う通り、下の名前で呼んだが様付は彼の立場や洩矢諏訪子に対する敬わねばと言う幻想郷らしい思考からそうしたが、皮肉にもそれは早苗の考えと同じで呼び方も早苗と同じになってしまった。
諏訪子は、早苗が聞いたら烈火のごとくなるだろうなとなって笑ってしまったが、すぐに身内の厄介事の方に思考が向かざるを得なかった。
「稗田阿求にちょっと危ないかもしれないと伝えておかないと……まさかうちの早苗がね…………一線の向こう側は同じような存在を作る力もあるのかね……帰ってきたら酒飲むから用意しといて、あんたと飲みたいから」帰ってくるまではシラフでいておくれ
諏訪子は忘八たちのお頭の背中を、親しそうにポンポンと叩きながらも落ち込んだ様子であった。
(相手が稗田○○じゃなかったら多分応援した)
……早苗の予想は、ここに早苗はいないけれども外れたと言う事だ。今の洩矢諏訪子は、考えてもいなかった部分に話が転がって、沈痛な感情を抱えなければならなかった。
「友人様ぁ……」
クラウンピースが落ち込んだような疲れたような声を、主からの命令でもあるが個人的にも心配過ぎて、近くにいるしかないから監視と歯止めとして動いているけれども。
「東風谷早苗になんか嫌がられる事やりましたかぁ……?」
主の友人であり、更にはクラウンピースも仲良くしている純狐だけならばともかく、いつだかの騒動の時に相対したこともある東風谷早苗の相手までするのは……いや、いざとなったら主の命令以上の意味を気持ちを純狐に対して持っているので、戦う事はそうなってしまったのならばやるだけの覚悟は決まっているけれども。
だけれどもしんどいと言う思いは体を重くしてしまうし、無いならばそれに越したことは無いじゃないかと言う考えは万人が強く抱く考えであろう、あくまでも純狐の周りをウロウロしだした東風谷早苗の事は、対処できると言うだけで避けれるならば避けたい存在なのだ。
「別に……何もやってないとは思うけれども。まぁでも、今は他の事をあんまり気にしてないからやっちゃったかもね」
純狐は何とも自身のない言葉を出して、クラウンピースの事を落胆させたが、そもそも興味が無いから何かがあろうとも、覚えていないのは当然の事なのだ。
「ああ……まぁ、そうですよね」
クラウンピースは溜息を大きく出したけれども、今の純狐があの兄弟を助けると言う事以外に、無論東風谷早苗の事だって何の興味も抱いていないのに疑いの余地はない。
「何とかしてきます」
結局こうなるのかと思いながら、クラウンピースは東風谷早苗の下に向かっていった。はっきり言って嫌だが、早苗を放っておくことの方がより嫌な事になるのは明白な事であるからだ。
「あの、東風谷早苗」
「何かしら?ピースちゃん」
東風谷早苗は妙に機嫌よく、クラウンピースの事をピースちゃんとまで呼んだ。
なれなれしいなコイツ、と思いつつも東風谷早苗と言う存在がどちらかと言えば厄介に分類される、そんな性格を持っているのも結構有名な事だ。
となれば、なれなれしさに少しムッとしたとしても、その事は無視が最善の手段であるのだった。
「友人様が何かやっちゃったんじゃと思いまして、ここに来たのは。もしそうなら私から謝りますし、今すぐではありませんがご主人様の
ヘカーティア様にも連絡して、何か埋め合わせしますから。その……こっちはこっちでやれますんで」
クラウンピースは要するに、関わってこないでくれと言う感情や考えを出来る限り丁寧に示したが。
「大丈夫よ」
早苗にこの場を立ち去る気は一切なかった。
「貴女たちの事、特に純狐の動向は気になるけれども、そこに他意や敵意は無いわ。ただ純狐の動向は、○○さんの調査の役に立つだろうからと思ったからウロウロしてるだけ。気にしなくて良いわ」
敵意は無いかもしれないが他意はあるじゃないか!クラウンピースはそう叫びたかったけれども、そもそもが稗田○○に接触を果たした時点でこの手の他意の存在は許容するべきなのかもしれなかった、今現在に置いては稗田だとかその周辺の存在から敵意だけは持たれていないだけでも十分な状況かもしれなかった。
「……こっちはこっちでやれるから。見てるだけにして」
クラウンピースは頼むから接触だけはやめてくれと、早苗に懇願した。
「まぁ、それは安心してよ。嫌がる事はしないから、ただ気になるだけ。○○さんもここでの同行は気になるだろうから」
ニコニコと笑いながら、早苗はまた○○の名前を出した。この時にはクラウンピースも、早苗はこの後において○○に報告に向かうのだろうかと考えた。
違和感はクラウンピースも覚えたが、その違和感がたとえ正しくともクラウンピースは自分たちには関係なさそうだと思えた。
「そう、そっちはそっちで目的はあるけれども私や友人様がメインではないんだね」
「ええ、そうよ」
「・・・…じゃあ見てるだけなら、まぁ」
そう言ってクラウンピースは、どうやら東風谷早苗はウロウロしているだけで無視しても良さそうだと考えることが出来たので、純狐の下へ戻ろうとした。
「いねぇ……」
姿を見つけることが出来なかった、どうやら一人で気になる場所を見るために歩き回っているようである。
純狐の事は別に心配するような、そんなやわな存在ではないが。
今回の場合は本人よりも本人の周りに、何か起こりそうだ。しかも場所は一応は、遊郭の内部とはいえ人里と言う更に大きな場所の内部だ、遊郭を嫌う稗田阿求や上白沢慧音が遊郭内部の事件は事件と扱わずに、博麗霊夢への報告もせずに握りつぶしてくれるかもしれないが、そうだとしても止めない理由にはならない。
何よりもクラウンピースには、自らの主人であるヘカーティア・ラピスラズリに対する責任が存在している。
そして男の悲鳴が聞こえてきた。
あまり遠くからではなかった、つまりはほとんど間違いなく自分が監視して面倒を起こさないように気を配るべきであった、純狐が何かやった。
クラウンピースは「ああ!もう!!F×××」幻想郷の存在がほとんど知らない、Fから始まる非常に汚い言葉を叫びながら走り出してしまった。
通常ならばクラウンピースがいわゆるFワードを使ってしまった事は、それを理解できる者がほとんど存在しないからまるで、問題にならないのだが。
東風谷早苗は例外であった。
早苗はクラウンピースを追いかけながらも、耳に聞こえてきたいっそ懐かしいぐらいのFワードを聞いて微笑んでいた。
「○○さんシャーロック・ホームズが好きだからミステリードラマもたくさん見てそうだし、Fワードに私と同じような懐かしさを感じるかな」
戻るつもりはないが、かつての住処への郷愁、あるいは思い出話を早苗は想像していた。
感想
最終更新:2021年06月06日 16:21