選択肢
何かを選ぶときに、人は何を選択肢として選んでいるのだろうか。殆どの人にとっては自分が損に
なるのか、あるいは得になるのかを考えるだろう。あるいは罰や悪いことを避ける場合もあるかも
しれないだろう。そしてそれが後々に振り返ってみたときに結果を考えてみれば、最善とは言いがたく
あるいはいっその事、悪いとすら言ってしまえることすらあるのではないのかと、そう僕には思える
のだ。しかしそれを悔いてはいけないのかもしれない。なぜならば、それを選んだときには過去の僕は
最善と思って選んだのであろうからだ。
・・・要はここまで色々と心の中で弁護をしてまで僕が言いたいのは、過去の自分が何かひどい
事をしていたとしても、それにはれっきとして何か選んだ理由があるからなのだろう。なので昔やって
しまったことを責めるなんてことはしたくはないのである。・・・そう、したくはないのであるが
言わずには居られない、なんであんな事を言ってしまったのか、と。
「○○さん、今日は私とご一緒して下さる日、・・・・ですよね。」
クラスメイトの古明地さんが声を掛けてくる。おしとやかで美人な彼女に声を掛けられてあまつさえ
同行を求められるのは普段はとても光栄なのだが、そうは言っていられない理屈がある。
「○○、今日も一緒に帰ろうか!」
反対側から元気に声を掛けてくるのは隣のクラスの比那名居さんだ。ああ、そうだ、そうなのだ。
これが僕のジレンマであり、そして周囲の冷たい目線が僕の心を削ってくる原因である。
「ハニー、部活動へ行きましょうか。咲夜、○○の鞄を持ってあげてね。」
更に爆弾がここに投下された。かの有名な大作家ヴィクトル・ユゴーならばこう言うであろう。
ああ無情、と。
感想
最終更新:2022年02月09日 23:20