○○は外来人だった
幻想郷に来たのはほんの偶然で○○の意志とは関係無かった、だが○○はそこで素敵な生活を送ることとなる

きっかけは○○が転移したのが真っ赤な館の前だっただけだ
たまたま館の主人が○○を館の中に招き入れた
丁度その時期に使用人の数が足りていなかったので、働く代わりに衣食住を保証してくれると言うのだ
その館の内部は血液のような赤を基調としていた
「紅魔館」というらしい
紅魔館の使用人は皆背中に羽が生えていた
後に聞くと使用人のほとんどは妖精のようだ

そんな中やっていけるかと不安だったが○○に課された仕事は簡単な雑用と買い出しくらいだった
たまの自由時間は紅魔館の地下にある大きな図書館で暇を潰した
○○は本を読むと同時に図書館の持ち主、パチュリー・ノーレッジとの会話を楽しんでいた
彼女は物静かで初めこそ暗い印象を受けたが、話していく内に○○と打ち解け友情が芽生えていった

今日も○○が図書館へ出向く、仕事終わり、彼女との会話を楽しみにしているのだ
○○から彼女へ話しかける
○○にとってこの館では彼女くらいしか話し相手がいない
仕事中も彼女のことばかり考えてしまっている
彼女も前に比べて楽しそうに○○と受け答えをする

自分の部屋に帰る○○
だがまだ彼女と話したがっていた
赤い長い廊下の途中で彼女との会話を思い返し1人で反省会を開く
その反省会はベットの上でも続いていた


ある日、○○が買い出しの命を受けた
○○にとって久しぶりの外出だった
たまの休みの日でも図書館に入り浸ってしまうからだ
○○は記憶を頼りに人里に歩を進める
なんてことない道だが前いた世界に比べて道の舗装が完全ではない加えて外出は上記の通り久しぶりだったので○○は道端で転んでしまった
膝を擦りむいて血が出てしまっている
そんな彼を見つけて声をかける女がいた
女は○○を心配して手ぬぐいを膝に当てた
女曰く、その手ぬぐいはボロなので○○にくれるという
○○は女の優しさに心から礼を言った

○○は人里で買い物を終え
紅魔館に帰還する
その手には買い出しの品物と懐には女に貰った手ぬぐいがあった
館のメイド長に品物を渡し、今日の仕事はあがりとなった


○○はいつも通り図書館に向かう
今日あったことを彼女に話した
出かけたこと、血が出たこと、女のこと、手ぬぐいのこと、
すると彼女はその手ぬぐいを洗うと言い出した
彼女は魔法が使えるのでそれを使って綺麗に血をとってやると
○○は彼女に感謝して血で汚れた手ぬぐいを渡した

○○は赤い廊下でいつも通り歩きながら反省会を開いた
彼女と話したこと、それと今日は女と手ぬぐいのことも考えた


それから○○が休日の日に図書館にいくのは少なくなっていった
仕事終わりは図書館に出向くのだが、休日は人里へ出向くようになった
人里に出向く理由は手ぬぐいをくれた女と会うためだった
女と話したあと紅魔館に戻り、話したことを彼女に伝えるのだった
そんな○○の話を聞いて彼女はとても悲しくなった
いつの間にかパチュリー・ノーレッジ、彼女には○○に対する恋愛感情が芽生えていたのだった
だが○○はその事に気づいていない
今日も密かに思いを寄せる彼女に他の女との話をするのだった

○○はあの廊下で歩きながら反省会をする
だが彼女の思いには気づいていない


今回は2連休だ……明日も女に会いに行くつもりだ




パチュリー「って書いてあるんだけど?」

○○「な!?ええ、」

○○「なんで俺のことが書いてある本があるんですか!」

パチュリー「作ったのよ」

○○「え、」

パチュリー「レミィの血とあなたの血と私の魔法でね」

パチュリー「自動であなたの運命を書き起こしてくれるの、過去にあったことと少し未来の運命もね」

○○「まさかあの手ぬぐいについた血を使ったんですか…?」

パチュリー「ええそうよ!手ぬぐいを綺麗にして残った血はどうするとも言ってなかったから」

○○「ずる!」

パチュリー「はーん!何がずるいのかしら!私の気も知らないで他の女になびいちゃって!私なんも悪くないもんね!」

○○「人権侵害ですよ!人権侵害!こんなにキツく縛って!」

パチュリー「あーもう、うっさいわねー!」

パチュリー「そんなに嫌なら解放してあげるわよ」

○○「え、いいんですか?」

パチュリー「ええ、いいわ、」

パチュリー「あの女の所でもどこでもいけばいいじゃない」

○○「えぇ……」

パチュリー「行かないの?私の気が変わるわよ……」

○○「…じ、じゃあ行ってきます!」

……

パチュリー「ふーん、ほんとに行っちゃうんだ……」

パチュリー「まぁ、別にいいけどね」



『彼女はこの後の展開を知っているかのように笑った』

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最終更新:2023年11月07日 13:19