赤の手記 5月10日

数日前より、私の館から姿を消している者がいる。
一昨年より新しく雇った執事長の○○だ。
何の能力も持たないただの人間にも関わらず、咲夜と同程度の仕事を淡々とこなし、里の人間の人望も厚く、
確か面白半分で命じた時は白狼天狗と互角の勝負をしていた。
兎に角、ただの人間にしては有望な人材だった。
そんな○○が突然こう申し出てきた。曰く、数日の休みが欲しい、と。
普段から私によく尽くしてくれていたので、一つくらいは願いを叶えてやろうと快諾した。
しかし、それ以降○○が紅魔館に戻ってきた形跡はない。
咲夜に探させてみたが、少なくとも館にはいないらしい。
手荷物も幾つか無くなっていたそうだ。
里帰りでもしているのだろうか。
久しぶりに奴の顔が見たくなってきたことだし、明日あたりこっそり遊びに行って驚かせてやろうと思う。


赤の手記 5月11日

何なんだ、あれは、嘘だ、そんな。あいつは私だけのものだ。
それ以外は許さない。


赤の手記 5月13日

許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない
許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない
許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない
許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない
(以下数ページに渡って同じ内容)


赤の手記 5月13日

昨日までの私はどうやら相当に混乱していたらしい。
はは、私としたことがみっともないな。
そうだ、あれはただ女が転んだから○○が支えていただけ。
そう、きっとそれだけのことなんだ。
○○は優しくて有能だから、主従関係でなくたってそれくらいの事はやってのけるのだろう。
里の者は似合いの夫婦だと話していたが、それも夫婦に見えてしまうくらい自然だっただけなんだ。
○○はまだ独身だから、そういう相手を探していても不自然ではないしな。
多分幼馴染とかそういった存在なんだろう、あの女は。
明日には○○が帰ってくる。またあいつの顔が見られる。
楽しみだ。でも、私の心を乱したあの女については処分しようと思う。
○○は私のモノだから、所有物の所有物をどうこうしたって、
それくらいどうってことないだろう。


赤の手記 5月1⊿

(ここからのページは赤黒く滲んでおり、読解が酷く難しい。
判読出来たキーワードの中には「裏切り」、「血」、「従僕」などといったものが含まれている)


赤の手記 7月11日

○○は、わたしだけのものだ。だれにもわたさない。

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最終更新:2010年08月27日 15:10