間欠泉騒ぎの後、地下にいた妖怪たちの中にも地上に出てくるものがいた、勇儀もその一人だ。
初めの内は飲んで騒いでそれでよかった、○○のことを相談されるまでは。
後からのこのこ出てきたくせにわたしが唾をつけておいた○○を狙い、ましてやその相談をわたしに持ちかけるとは。
最初は怒ったが勇儀はずっと地下にいたんだから、わたしが○○を狙っていたことは知るわけがない。

そう、知らないんだ。

そこでそれを利用して一計を案じた。
もちろん○○から勇儀を離す為の策だ。
男に初心なあいつはわたしからの助言を全て聞き入れた。
やれ好きな者どうしお互い拘束しあいうだの、二人っきりになればそういう雰囲気になるだの、そんなことだ。

もちろんこんな漠然とした助言じゃなんの効果もないだろう、普通ならここから色々考えたりするもんだけど、
だけど猪突猛進な、良く言えば純なあいつはそのまま当たっていった。

一回目の告白は○○に心配されて終わりだったけど二回目は違った。
なんとあいつは○○の唇を奪いやがった!わたしでもしてもらったことがないのに!!
これだけでもあいつをぶっ飛ばすぐらいに感情が高ぶったけどなんとか抑えた、一緒に飲んでた天狗を反射的にぶっ飛ばして。

次の日にまた相談に来た、昨日のことを照れながら話して「次はどうしたらいいんだ?」だと?
わたしは殴ろうとする体を必死に押さえた、まだその時じゃない。
だけど助言の方はもう手加減無しだ。
好きな者同士同士四六時中一緒にいるもんだ、って言ってやった。

入れ替わりに○○がやって来て相談事をされた、○○がわたしを頼ってくれるのは今までのことを帳消しにしてやってもいいくらい嬉しかったが、
その内容があいつのことだったのは悔しかった、でも○○もう直ぐそんなこと気にしなくてもいいようにしてあげるからね。


それからあいつは○○に付きまとうようになった。
もちろん○○には迷惑なだけだろう、あいつとは恋人でもなんでもないんだから。
○○もわたしの助言を守ってあいつの相手はしなかった。
そしてあいつの行為は予想通り段々度を超えてきた、もう少しだ、わたしは最後の一押しをした。

○○が無視する?なら勇儀、しばらく会うのをやめればいいんだよ、○○はきっと来られるより自分から向かうのが好きなんだよ。
それに心配されたかったら目に見えるものなんかかいいんじゃない?なるべく刺激の強いもので。


それからしばらくしてまた○○が相談しに来てくれた、内容は相変わらずだったけど。
わたしはもう直ぐだよと言った、そうもう直ぐだからね…○○。



そしてそれは起こった、わたしは体を密にし、あいつを○○から引っぺがしぶっ飛ばす。

「○○大丈夫かい?」
「す、萃香…?なにしてるんだ、勇儀は怪我をしてるんだぞ」

○○は唖然としながらもそう聞いてくる、ああ○○…あいつのことなんてどうでもいいじゃないか。

「大丈夫さ、鬼はあんなんじゃびくともしないよ、それより○○、知ってると思うけど勇儀は最近ちょっとおかしい、おまけに○○を狙ってるときてる、
同属がかけた迷惑だ、同じ鬼としてわたしが守ってやるよ」

そう言ってわたしは○○を攫う、誰も知らない場所へ。







「勇儀はまだおれを探してるのか?」

○○がそう聞いてくる。

「うん、そうみたいだね。こりゃあまだまだ帰れそうにないよ」

あれから数ヶ月が経った、○○はわたしに攫われたままだ、もちろんあいつから保護するという名目で。
あいつが○○を諦めるってことはないだろう、ならわたしはずっと○○をこのままにしておかないといけない。
そう、ずっだよ。












~以下蛇足~
スレ606勇儀の続きです
読んでくれた人がほとんど思った通り、ほとんど606の焼き直しです、これならわざわざ二つに分けず、前回にオチも書けばよかry

助言ののくだりは萃香もヤンデルから、その考えは萃香の中では本当ってことなので嘘になってないよってことにしてくれると幸いです
~以上蛇足~
最終更新:2010年08月27日 20:01