……ううっ
「○○、お早う」
……萃香?
「鬼であるわたしと力比べなんて、意外と度胸あるね。見直したよ」
……俺は?
「……忘れたとは言わせないよ。わたしとの力比べを受け入れたこと」
……そうだ。俺は酒の勢いで、萃香との勝負を受け入れてしまった。
その結果、鬼の拳を盛大にもらい、失神したのだ。
「まったく、わざわざ手加減までしたのに、○○ってば一発で伸びちゃうんだもん。
…ところで、鬼に負けたら、どんな目に遭うかは分かってるよね?」
分かっている。このまま拐われて神隠しに遭う。
勝負に負けた以上逃れることは出来ない。
出来ることはただ己の馬鹿さ加減を呪うことぐらいである。
「さて、じゃあ○○を拐おう。……と、言いたいところだけど、わたしは、優しいからね。
○○をわたしの物にするだけで許してあげるよ」
それが萃香の温情ではないと思い知るのには、三日とかからなかった。

「……きゅうじゅうご」
がああっ!
「……きゅうじゅうろく」
うぐあっ!
「……きゅうじゅうなな」
ぐううっ!
……頼む萃香、もう、止めてくれ。
「なにいってるの、○○。悪いのは誰だっけ? 殺されないだけマシじゃない?」
……たのむ
「痛いよね。わたしの能力で痛覚を密にしてるんだもん。
……きゅうじゅうはち」
……ぐああっ!
「でも身体へのダメージは疎にしてるからね。死ぬことはもちろん、大怪我をすることもないよ。
……きゅうじゅうきゅう」
……あぐううっ!
「ついでにいうと○○の意識も密にしてるから、絶対に気を失えない。
はい、ひゃく、っと」
……ううっ!
「さて、○○。どうしてあんたは殴られているんだっけ?」
……
「……物を聞かれたら、ちゃんと答えなよっと!」
……づうっ!?
「あ~あ。あんまり頭に来たから、能力使うの忘れちゃったよ。
右腕、イっちゃったね。
わたしがもっと怒る前に答えた方がいいと思うんだけどな?」
……萃香との約束を破って、他の女の子と話したからです。
「……まったく、○○はわたしのものって言ったのに、まだわかってないみたいだねっ!」
あ゛がっ!
「ありゃ、またやっちゃった。
いけないいけない、すぐかっとなる癖、直さないと。
あと約束じゃなくて、命令だから、そこんとこ、勘違いしないように。
あんたはわたしの所有物なんだからさ。
……あ~あ。私のせいで利き手利き足が使い物にならなくなっちゃったね。
責任とってこれから○○の世話をしてあげるよ。
わたしの住み処でね」
……
「不満?……もう百発いっとく?」
……これから、よろしくお願いします。
……心使いありがとう
「そうそう。感謝の気持ちを忘れないことと、嘘を吐かないこと。この二つが守れればずっと面倒みてあげるからね。
さて、じゃあ住み処にもどったら、○○と一緒になれた記念に祝杯をあげようか」
萃香は笑っていた。
「ふふふ……。これから、ずっと一緒だよ○○」
無邪気に、残酷に、子供のように笑っていた。


スイカインバイオレンス。悲鳴書くのがいちばん難しかったり。
ヤンデレはうpろだを使いづらいなと思ったりする。
けど、長い書き込みはあれだし…
表記すれば平気だろか?
最終更新:2011年03月04日 01:43