今日は雨。                      きょうは雨だった。
なので久しぶりに散歩にでかけた。           みこは怖いがひとざとの近くまで行くことにした。
行ったことのない里の外まで足を運んだ。        すると傘をさして歩くものが見えたので急降下して前に立った。
運が悪かったのか妖怪にあった。            そいつは驚いて腰を抜かしてた。うれしかった。
驚いて倒れちまったおかげで傘が破けちまった。     でもあの子がけがしてた。
お詫びのつもりか持ってた傘で家まで送ってくれた。   びしょぬれで帰すわけにもいかないから家までおくってあげた。
帰るついでに傘屋によって修理を頼んだ。        帰るときあの子をなおしてもらってた。       
張替えに少しかかるらしい。              たいせつにしてくれる人もいるんだ。うれしかった。

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今日は晴れ。                     きょうは晴れてた。
仕事場に行ったが新入りが片付けなかったせいで、    何でか昨日の○○が気になってさとの近くに行った。
一部の資材がずぶ濡れになっちまった。         しばらく飛んでると○○はまた歩いてた。
てことで今日も休み。                 出て行こうとおもったけど何て言えばわからない。
また里の外に散歩にでかけた。             でもちょうど雨がふってきた。
途中、天気雨にあったがこの間の子が出てきた。     ○○の前に出て傘にいれてあげた。
また傘に入れてもらった。               こういうのをあいあい傘って言うらしい。             
名前を訊かれたのでこっちも訊き返した。        名前もその時教えてもらった。
小傘というらしい。                  いい名前。

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今日は晴れ。                     きょうは○○は来なかった。
久しぶりの仕事だ。                  雨が降らなかったからかな。
終わった後おやっさんと屋台へ。            ○○は私をどうおもってるんだろう。
酔ってるのかまたお見合いを持ち出してきた。      都合のいい傘?
たしかにお菊さんも綺麗だか。             でも私は使ってくれるならそれでもいい。
俺には小傘って子のほうが気になる。          ○○は私をどうおもってるんだろう。
あんな小さくて妖怪のほうが気になるとは。       しりたい。
まったく俺も病気かもしれないな。           しりたい。しりたい。しりたい。

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今日は晴れ。                |     私はわるい妖怪だ。
何時も通り仕事だ。             |     ○○の日記をとってしまった。
そんで何時も通り仕事の後の屋台。      |     でも○○私のこと好きなのかな。
でお見合い話。               |     いやきっとそうだ。
何時もと違うのはこれが日記でないこと。   |     だって綺麗なお菊さんより気になるって書いてたもん。
どこかで失くしたのか?           |     でも○○日記がこまってるだろな。
とりあえず見つかるまで別の紙に書こう。     |     返しに行こう。
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今日は晴れ。                     夜中に○○の家に返しにいった。
失くなった日記が見つかった。             ○○の寝顔はかわいかった。
ここに置いた覚えは無いんだか。            本当にかわいかった。        
まぁいい。                      なめちゃいたいくらい。
昨日の分も貼り付けたし。               また雨になったら会おうね。
修理に出していた傘も出来たようだ。          絶対だよ。

  •                           ・

今日は雨。                      今日は雨。
また里の外に散歩に出た。               ○○に会いに行った。
小傘に会えると思ったんだか。             ○○はいつもの道を歩いてた。
今日は出てこなかった。                ○○には会えなかった。
まぁこんな時もあるか。                だって傍にはあの子がいたから。

  •                           ・

今日も雨。                      今日も雨。
今日も小傘は来なかった。               また○○はあいつといた。
また会いたいのだが。                 あいつがいるかぎり○○は私を使ってくれない
小傘にも小傘の用事があるのだろう。          あいつがいるから。

  •                           ・

今日は曇り時々雨。                  夜中にまた○○の家にしのびこんだ。
雲行きが怪しいので今日は休み。            私はあいつをころした。          
こんな程度で休んでいいのか…。            お前がわるいんだ。
散歩に出ようかと思ったが気が変わった。        ○○をひとりじめにしたから。
一日部屋で過ごすのも偶にはいいだろう。        お前がわるいんだ。

  •                           ・

今日は雨。
また里の外に散歩しようとしした。
が置いておいた傘が無かった。
探しても見つからない。
誰かに盗まれたのだろうか。
どちらにしろ傘が無くては散歩は無理。
諦めて一日部屋で過ごした。

  •                           ・

今日は晴れ。                     ○○は来なかった。
分社も完成まであと一歩だ。              あの子はもういないのに。
ここは踏ん張りどころだろう。             やくそくしたのに。
帰り道で失くした傘を見つけた。            なんで来ないのかな?              
張りが破けただけなら直せるのだが。          ○○は私がきらいなのかな?  
流石に骨まで折れていては無理だろう。         ○○は私を好きなはずなのに。
新しい傘を買いに行かないとな。            なんで来ないのかな?

  •                           ・

今日は雨。                      ○○は来てくれた。
新しい傘も買ったので散歩へ行った。          でも別の子といっしょだった。
小傘に会いたくなり里の外に出た。           かなしかった。
小傘には会えなかった。                さなえにきいたらうわきって言われた。
もう会ってはくれないのだろうか。           ○○がうわきなんてするわけない。

  •                           ・

今日は雨。                      おまえらがわるいんだ。
傘が壊されていた。                  ○○がうわきなんてするはずがない。
雨合羽もずたずたに切られていた。           おまえらが○○にいいよったんだ。
もう傘は買わないだろう。               ○○はしかたなくてつきあってたんだ。
今日おやっさんを通じて謹慎を受けた。         だからころすんだ。
どうやら里の外に出ていたことが問題だそうだ。     私はわるくない。
もう里の外には出れない。               たとえわるくてもいい。
小傘にも会えないだろう。               ○○のためなんだから。

  •                           ・

今日は雨。                      ○○が来ない。         
ただそれだけだ。                   もう○○をたぶらかすやつはいないのに。
流石に外に出れないのは辛い。             どうして来てくれないんだろう。
することが無くなってくる。              私は待ってるのに。  
謹慎は何時解けるのだろうか。             もしかしたら私は必要ないのかな。
もしかしたら小傘が待っているかもしれない。      ○○にかぎってそんなことはないと思うけど。

  •                           ・

今日は晴れ。                     きょうも○○は来ない。
窓も戸も閉まっているからわかりにくいが。       ○○が来てくれない。
何だが人が恋しくなってくる。             ○○は私がいらないのかな。
戸の前の見張りは喋ってくれない。           また捨てられるのはいやだ。
誰かに会いたい。                   ○○に会いたい。                  
誰かと話したい。                   ○○と話したい。

  •                           ・
  •                           ・
  •                           ・

外の様子がわからない。                 ○○はもう私がいらないのかもしれない。
何時になったらだしてくれるんだ。           でもそんなのはいやだ。
だれも喋ってくれない。                もう捨てられたくない。
だれにも会えない。                  ひとりで雨にぬれるのはいやだ。
何故だか戸も窓も開かない。              捨てられたくない。
時々壁に何かぶつかる音がする。            どうすればいいの。

  •                           ・

だれか助けてくれ。                  認めたくはないけど。
あたまが痛い。                    ○○は私がいらないんだろう。
外から変な声がする。                 だから来てくれないんだ。
何かが戸をたたく音がする。              だったら私を必要としてくれればいい。

  •                           ・

ばけものが戸をたたいてる。              ○○を迎えにひとざとに行った。
ばけもののさけびごえがきこえる。           ○○の家の周りでにんげんが戸をたたいてた。
入れないようにしたがあきらめてくれない。       しきりに出てきてくれとか叫んでいる。
ばけものどもは何かはなしている。           あいつらも○○をひとりじめしたいのかな。
いつかは中に入ってくるだろう。            でもあげない。
誰かたすけて。                    ○○に必要なのは私なんだから。

  •              ・

天気はわからない。                  私はわるい妖怪だ。             
小傘が助けににきてくれた。              ○○をひとりじめしてしまった。
天井を突き破ってきた小傘。              でも○○はうれしそうだった。
危険を冒してまで人里に来てくれた小傘。        もう私以外に会えないのに。      
大好きと言ってくれた小傘。              もう私以外と話せないのに。
俺とずっと一緒に居てくれると言った小傘。       もう私が居なきゃ生きていけないのに。
二度と離れないと言ってくれた小傘。          それでも○○はうれしそうだった。
俺は幸せだ。                     私は幸せだ。
こんなにまで俺を必要としてくれる人がいる。      ○○が私を必要としてくれるから。 

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最終更新:2017年04月08日 04:52