ずーーーっと一人ぼっちだった私にも、やっと春が来たみたい
お姉さまが、私の退屈しのぎにって連れてきた外来人 ○○
初めはさっさと壊しちゃおうって思ってたけど、この男のお話がすっごく面白くて
今ではいないほうが珍しいってくらいに重宝してる
……まぁ今じゃ、お話だけが目的じゃないんだけどね
なんせ、○○はホントに鈍いから

フラン「それでそれで!? 烏たちや企業ははどうなるの!?」
○○「ふふ、ここで僕はなんて言うと思う?」
フラン「……まさか」
○○「そう、[沈黙の境界線。続きはまた明日]だよ」
フラン「ぶー」
○○「まあまあ。このペースなら来週からは新連載、[最後の烏]が始まるよ」
フラン「ぶーぶー」
フラン2「ふーふーふー」
フラン3「ぶーぶーぶーぶー」
フラン4「ぶーぶーぶーぶーぶー」
○○「駄々こねるのにスペルカード使うんじゃないの。ああほら、暴れるから本棚がひっくり返ったよ」

そこで、いつものように分身を消す
そういえば、フォー・オブ・ア・カインドは高等技だってお姉さまに言われたなぁ
今では駄々こねる時にばっかり使ってるけど

フラン「じゃあお話はまた今度でもいいからさ……今日は泊まっていってくれる?」
○○「………フラン、僕は男だよ。勘違いするでしょ」
フラン「その勘違いを私は望んでるんだよ」
○○「………」

ああもう、○○の優柔不断
いっそこのまま襲いたくなっちゃうけどそんなのは品がない
……それに、やっぱり好きな人とのはじめては、両者合意でしたいし

○○「……明日で、いいかな?」
フラン「どうして?」
○○「身辺整理・引越しの準備・お風呂で体を綺麗にしたい」
フラン「引越し? ってことは、○○!」
○○「レミリアさんが許してくれたら、ここに住もうかなって」
フラン「大丈夫大丈夫! もしも駄目でも私が許可するから!」
○○「あはははは」


うわああああああ~~~~
明日が待ちどうしすぎて死にそう~~~
あ、そうだ。それならお部屋を掃除しておいたほうがいいよね
さっき暴れたせいで散らかっちゃったし

フラン「よーし! それじゃはりきってお掃除するよ!」
フラン2・3・4「おー! 明日のために!」

四人がかりならあっという間
……ってわけじゃなかったけど、どうにかこうにかお掃除終了
そして、いつものように分身を戻す

フラン「あれ?」
フラン3「……」

戻んない? そんなことってあるの?

フラン「どうしたの? 戻ってって言ったんだけど」
フラン3「……ずるい」
フラン「へ?」
フラン3「○○と一緒になれるのがあなただけなんて、ずるい!」
フラン「ど、どういうこと? 私はあなた、あばたは私でしょ!」
フラン3「違うもん。○○と一つになるのはあなた。私じゃない」
フラン2「そう。私達はしょせん分身だよ。本物じゃない」
フラン4「でも、私達だって○○を愛してる。あなたと同じようにね」

いつの間にか、私は3人の私に囲まれていた

フラン「なんなの……なんなのあなた達は!?」
フラン2「違うでしょ。あなた達じゃない。私たち、よ」
フラン3「それに、私なら今何を考えてるか分かるでしょ?」
フラン4「そうそう。自分以外の誰かが○○に愛されそうになってる。そしたら私はどうするかな?」
フラン「………なぁるほど、ね」

簡単なことだったんだ
私の中には、私自身っていうライバルが3人もいたんだ
そしてそのライバルに打ち勝たなきゃ、私は○○の恋人にはなれないんだ




○○「……フラン、本当に僕でいいの?」
フラン「うん。でも、その前に一つだけ聞きたいことがあるの」
○○「なんだい」

フラン「あのね、私は、[何番目]だと思う?」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2010年10月08日 23:56